海外市場の振り返り

15日の米国では、1月の小売売上高が前月比-0.8%と市場予想(同-0.2%)を大きく下振れしたことを受けて利下げ観測が高まり、長期金利は低下、株高の展開となりました。S&P500株価指数は消費者物価統計を受けた下落分を取り戻し、史上最高値を更新しました。為替市場でもドルが下落する中、ドル円相場は一時149円台半ばまで円高ドル安となる場面もありましたが、その後は150円前後の水準で推移しています。米国では1月の鉱工業生産も同-0.1%と市場予想(同+0.2%)に反して低下したことから、悪天候が1月の経済指標の低下に影響した可能性があります。昨日発表された2月の地区連銀景況調査(NY連銀、フィラデルフィア連銀)はいずれも改善しており、景気の減速感が高まっている様子は確認できません。

相場の注目点

足元の米株高の背景には、景気のソフトランディング(軟着陸)とインフレの鎮静化が同時に達成され、FRB(米連邦準備理事会)が利下げに転じるとの期待が作用している面があると見受けられます。このため、市場では利下げ開始要件を探るためFRB高官の発言に対する注目度が高まっています。本日は、デーリー・サンフランシスコ連銀総裁はじめ、複数のFRB高官の講演が予定されています。また、3月19-20日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を控え、3月6日・7日にはにはパウエル議長が半期に一度の議会証言を行うことが発表されました。市場では5月FOMCでの利下げ織り込みが3割程度まで低下していますが、FRB高官の発言次第では振れやすい状況が続いていることから注意が必要です。

(投資情報部 尾畑 秀一)

(注)データは日本時間2024年2月16日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

FINTOS!編集部オリジナル記事

【野村の動画】「トランプラリー」は再来するか、前回選挙前後の相場を振り返る

ご投資にあたっての注意点