海外市場の振り返り

29日の米国株は、主要3指数が揃って反発し、ナスダック総合及びS&P500が史上最高値を更新しました(引け値ベース)。寄り前に発表された1月の米個人消費支出(PCE)価格指数が市場予想に一致しました。サンフランシスコ連銀デーリー総裁やアトランタ連銀ボスティック総裁などのFRB高官の発言は市場の早期利下げ期待を高めるほどには至りませんでしたが、インフレに対する警戒感が後退したことでテクノロジー株を中心に株式市場への追い風となりました。

相場の注目点

日経平均株価が2月22日に史上最高値を更新した後、日本株は上値の重い展開となっていますが、足元の米国株の反発は支援材料になると見られます。米国では決算発表が一巡しつつあり、経済指標や金融政策に焦点が移りつつあります。来週発表の3月5日の2月ISMサービス業景気指数や、8日の2月雇用統計などの雇用関連指標に注目です。他方、日銀の政策修正に対する警戒が続く中、G20財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見(日本時間1日朝)での日銀植田総裁の発言が市場で材料視されそうです。同総裁は、「賃金と物価の好循環がうまく回り出しているか、確認していく作業を続ける」とし、3月中旬の春季労使交渉を「確認作業の中で一つの大きなポイントだ」と述べた模様です。3月7日に連合(日本労働組合総連合会)が公表する企業の労働組合の賃上げ要求に関する「要求集計結果」には注目です。

本日のイベント

本日は、米中で注目度の高い景気指数が発表されます。米国では2月ISM製造業景気指数、2月ミシガン大学消費者マインド確報値、中国では2月政府版PMI、2月財新版・製造業PMIが発表されます。

(投資情報部 坪川 一浩)

(注)データは日本時間2024年3月1日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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