本日の株式市場

本日の日経平均株価は、前週末比290円高の40,201円で取引を開始しました。前週末の米国株式市場で、半導体関連株を中心に上昇し、主要3指数が揃って続伸したことが好感されました。また、寄り前に発表された10-12月期の法人企業統計で設備投資が前年同期比+16.4%と、10-12月期で過去最高となったことも、日経平均株価の押し上げ要因となりました。寄付き後は、やや上げ幅を拡大し、一時40,300円台をつける場面もありました。もっとも、心理的な節目でもある4万円台に乗せたことによる達成感もあり、後場に入ると、上値が重い展開となりました。4万円台を割りかける場面もあったものの、前週末比198円高の40,109円と、史上初の4万円台に乗せて取引を終えました。一方で、TOPIXは前週末比-0.12%と小幅に反落しました。

個別では、東京エレクトロンやアドバンテストといった半導体関連株が上昇し、2銘柄で日経平均株価を約160円押し上げました。

日経平均、年内高値は43,000円を予想

日経平均株価は終値で初めて節目の40,000円を上回りました。ただし、現在の株価バリュエーション(投資尺度)は、12ヶ月先予想PER(株価収益率)で2013年以降の12〜17倍の範囲内に収まっています。従来の高値(1989年12月29日の終値:38,915円)だった1989年当時とは異なり、現在の株高は業績によって裏付けられています。

日本株上昇の背景には、日本経済と企業のデフレ体質脱却があります。物価指標を見ると、現在の日本企業がこれまでとは異なる値上げ行動を取っていることがよくわかります。輸入物価が2022年の半ばにピークを迎えたにもかかわらず、国内企業物価は2024年1月のデータでも依然として上昇傾向にあります。日本企業のROE(自己資本利益率)および売上高営業利益率は徐々に上昇していますが、値上げ文化の定着により更なる改善が見込まれます。野村では、売上高営業利益率が欧州企業と同程度まで高まると、日本企業のROEは約40%上昇する可能性があると考えています。

デフレ脱却に次ぐ重要なテーマとして、日本企業のコーポレートガバナンス(企業統治)改革が挙げられます。東京証券取引所は2023年3月に、株価や資本コストを意識した経営を企業に要請しました。これが企業のコーポレートガバナンス改革を後押しし、特に政策保有株の売却加速というはっきりとした成果を上げています。自社株買いが増加し、日本企業のEPS(1株当たり利益)の増加に寄与してくることが期待できます。現在もまだ、上場株式の約3割が政策保有株として残存しているため、このテーマは数年間にわたり続く可能性が高いと考えられます。

需給面では、自社株買いに加えて、海外投資家が日本株の買い越し主体として影響力を増しています。野村では、グローバル投資家が日本株のウェイトを「アンダーウェイト(弱気)」から「ニュートラル(中立)」に修正するだけでも、まだ10兆円規模の買い余地があると試算しています。日本株インデックスの年内レンジ高値は、日経平均で43,000円、TOPIXでは過去最高値(1989年12月18日の終値:2,885)を上回る3,025を予想しています。推奨セクターは、銀行、建設、不動産、システム・アプリケーション、食品の5業種とします。内需セクターを中心に推奨している中長期の根拠としては、野村が日本経済と企業のデフレ体質脱却を重視していることがあります。

(要約編集:野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)

要約編集元アナリストレポート

日本株ストラテジー – 日経平均、史上最高値更新の背景と展望(2024年2月22日配信)

日本株ストラテジー – 注目点とトピック(2024年2月29日配信)

(注)各種データや見通しは、要約編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。
(出所)野村證券市場戦略リサーチ部などより野村證券投資情報部作成

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