※画像はイメージです。

※2024年4月11日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

3月22日高値へ向け戻りを試す展開となるか

今週の日経平均株価は、半導体株を中心に上昇したものの、米国のインフレ高止まりが警戒され、上値の重い展開となりました。

チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、3月22日高値(41,087円)形成後に調整となり、4月3日にこれまで下支えとなってきた25日移動平均線(4月11日:39,707円)を割り込み、5日には39,000円を下回りました。ただ、その後は反発し、25日線(同:39,707円)の水準まで値を戻しています。

この先早期に25日線を明確に上抜け、心理的フシの4万円を回復となるか注目されます。4万円回復となれば、3月22日高値(41,087円)へ向けて戻りを試す展開となると考えられます。

一方で25日線に上値を抑えられ再度調整となった場合、下値のメドとして、まずは4月5日安値(38,774円)や、3月12日安値(38,271円)の水準が挙げられます。

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(注1)直近値は2024年4月11日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

次に長期的な動きを確認してみましょう(図2)。現在は2022年3月安値(24,717円)を起点とする中長期上昇局面を形成中だと考えられます。これまでの上昇倍率は1.65倍となっていますが、前回(③)の上昇倍率である1.9倍を22年3月安値に当てはめると46,962円と試算されます。この先、短期(数週)や中期(数ヶ月)の調整を挟む可能性はあるものの、それら押しをこなしつつ、さらなる上昇となると考えられます。

(注1)直近値は2024年4月11日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

金価格は保ち合いを上放れ、中長期上昇トレンド入りか

金先物価格(COMEX)は今春に大幅上昇となり、4月にかけて史上最高値の更新が続いています。出口の見えないロシア・ウクライナ紛争や、中東情勢の緊迫化など、地政学的リスクの高まりが金価格上昇の一因となっています。

チャート面をみると、今春に重要なフシを上抜けて上昇が加速しました(図3)。2020年8月高値から約3年半にわたり上値抵抗となっていた2000~2100ドル/トロイオンスの水準を明確に突破しており、中長期上昇トレンド入りしたと考えられます。まずは、2020年8月高値から22年11月安値にかけての押し幅の倍返し(2,508ドル/トロイオンス)水準を目指す動きになると考えられます。

前回や前々回における中長期上昇トレンド内の一時的な調整局面をみると、6ヶ月移動平均線から12ヶ月線の間の水準で底入れするケースが多くみられました。仮に、これまでの急騰の反動から今後押しを入れる場合も、それら移動平均線の水準から切り返すことが期待されます。

(注1) 直近値は2024年4月9日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

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