決算概要:2024年1-3月期(2024.12期第1四半期)

EPS実績は市場予想を上回った

米国時間4月30日引け後に、イーコマースやメディアサービス、クラウド事業のAWSなどを運営するアマゾン・ドットコム(AMZN US)が2024年1-3月期(2024.12期第1四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を0.6%上回り、EPSは市場予想を17.9%上回りました。

会社の2024年4-6月期売上高見通しは市場予想を下回りました。

AIがAWSの成長をけん引、小売や広告・メディアも堅調

会社は、AIサービスの機能向上と、IT基盤を更新・拡大している顧客企業からのそれに対する強い需要により、AWSの成長が再び加速したとコメントしました。AWSの営業利益率の実績は37.6%と、前年同期の24.0%や前四半期の29.6%から拡大し、AIが利益の拡大に貢献したことが示唆されました。

イーコマースについても、小売事業でのブランド衣料品や抗肥満薬などの医薬品といった品揃えの拡大やコスト削減、また、プライムビデオ事業での広告の成長などを好調の理由として会社はコメントしました。

売上高とEPSの推移

株価は時間外取引で上昇

アマゾン・ドットコムの株価は、前日比3.29%安で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比1.19%高の177.09ドルで推移しています(NY時間17:47)。

AIによる利益貢献が確認されるなど堅調な実績を市場は好感した一方で、会社の2024年4-6月期売上高見通しが市場予想を下回ったため、株価の上昇は限定的だったと考えられます。

株価推移 (6ヶ月日足)

(注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2024年4月30日時点。
((注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2024年1-3月期(2024/3)。2024年4-6月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はLSEG集計による市場予想平均。2024年4-6月期以降の予想は2024年4月29日時点。
(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成

(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)

<前回の当社決算>
【米国株決算速報】アマゾン・ドットコム(AMZN):米国の配送効率化順調・生成AIサービス本格始動、株価は+6.73%(時間外取引)

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