(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

8日の米国株式市場では、NYダウが反落した一方、S&P500とナスダック総合は底堅く推移し、連日で史上最高値を更新しました。米利下げ期待の高まりに加え、これから発表が本格化する米企業決算への期待感から、NYダウは続伸して始まり、一時279ドル高となる場面もありました。その後は投資家の様子見姿勢が強まる中でマイナス圏に沈みましたが、97ドル安で下げ渋ると引けにかけて下げ幅を縮め、結局31ドル安で取引を終了しました。

相場の注目点

米国では、6月のISM製造業・サービス業景気指数や雇用統計など、前の週に発表された経済指標が景気減速や労働市場の過熱の緩和を示す内容だったことから、米連邦準備理事会(FRB)が2024年中に2回の利下げを実施するとの観測が強まり、株式市場では経済指標の弱さを受けた利下げ期待の高まりを好感する展開が続いています。今週は、パウエルFRB議長の半期議会証言(9日に上院、10日に下院で実施)や、11日に6月の米消費者物価指数(CPI)が予定されています。米利下げ期待が一段と高まる結果となるのか、景気や物価、金融政策についての見方に変化が生じるか注目されます。

本日のイベント

本日は米国でFRB議長の議会証言(上院)が予定されます。また、豪州では7月のウェストパック消費者信頼感指数が発表されます。豪中銀(RBA)に対しては一部で、8月中銀会合での追加利上げの可能性が意識されています。7月からの減税措置を受けて、消費者のセンチメントが大きく改善し、追加利上げ観測が一段と強まるか注目されます。

(投資情報部 引網 喬子)

(注)データは日本時間2024年7月9日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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