決算概要:2024年4-6月期(2024.12期第2四半期)

EPS実績は市場予想を上回った

米国時間8月1日引け後に、イーコマースやメディアサービス、クラウド事業のAWSなどを運営するアマゾン・ドットコム(AMZN US)が2024年4-6月期(2024.12期第2四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を0.4%下回り、EPSは市場予想を22.6%上回りました。

会社の2024年7-9月期売上高見通しは市場予想を下回りました。

消費者の低価格志向強まる、AWSは順調

会社は、小売事業について、想定以上の消費者の低価格志向が販売単価の低下につながり、高価格帯商品のPCや電子機器でも好景気時に比べて売上高成長率の鈍化がみられたとコメントしました。

一方で、AI・クラウド事業のAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の売上高は市場予想を上回りました。会社は、設備投資額の増加は今後も継続し、増加分のほとんどはAI関連であるとコメントしました。

売上高とEPSの推移

株価は時間外取引で下落

アマゾン・ドットコムの株価は、前日比1.56%安で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比7.75%安の169.80ドルで推移しています(NY時間19:15)。

長引く高インフレを背景に、会社の想定以上の消費者の低価格指向などにより、売上高の実績や見通しが市場予想を下回ったことに市場が反応したと考えられます。一方で、設備投資増額は、AI事業への投資の回収の確実性が高まったことを示唆していると考えられます。

株価推移 (6ヶ月日足)

(注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2024年8月1日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2024年4-6月期(2024/6)。2024年7-9月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はLSEG集計による市場予想平均。2024年7-9月期以降の予想は2024年7月31日時点。
(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成

(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)

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