(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

8日の米国株式市場は、主要3指数が揃って上昇しました。先週末の7月米雇用統計の弱い結果に加え、このところ米新規失業保険申請件数は増加傾向にあり、米国では雇用情勢の悪化が警戒されていました。しかし、朝方発表された8月3日までの1週間の米新規失業保険申請件数は23.3万件と、前週比で1.7万件減少しました。労働市場の底堅さが示されたことで米景気後退に対する過度な懸念は和らぎ、NYダウは終日しっかりとした値動きとなりました。為替市場では先週末の米雇用統計がドル円相場の急落の一つのきっかけとなりましたが、急速なドル安円高の動きは一服しており、ドル円相場は概ね147円前後での推移が続いています。

相場の注目点

今週の米国株式市場は大荒れ相場となりました。米景気に対する先行き警戒感から、週明け5日のNYダウは約1年11ヶ月ぶりに1,000ドル超の急落となりました。翌6日は買い戻しの動きから300ドル近く上昇したものの、7日には再び下落に転じるなど、不安定な値動きが続きました。本日の上昇は、米国の雇用関連指標が市場予想よりも改善したことを受けて過度な懸念が和らいだことが材料視されたとみられますが、先行きを警戒する投資家は依然として多く、引き続き不安定な相場展開が予想されます。8日は米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを急ぐとの見方が後退、米10年国債利回りは一時節目の4%を上回り、米2年国債利回りは4%台へ再上昇しました。FRBの利下げによる景気下支え期待が相場を支えていることから、目先は14日(水)の7月米消費者物価(CPI)が注目されます。なお、本日は中国で7月の物価統計(CPI、PPI)が発表されます。

(投資情報部 引網 喬子)

(注)データは日本時間2024年8月9日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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