※画像はイメージです。

※2024年9月19日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

年末にかけて、本格的な戻し相場入りが期待される

今週は、米FOMCの結果判明を受けてポジション調整の動きが見られ、円高が進んでいた為替市場では円安方向への揺り戻しが広がりました。上値の重かった日本株も円安進行を好感して上昇しました。

チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、9月2日から9日にかけて急落し、一時35,247円まで値を下げました。

しかし、その後の上昇で、9月9日安値と11日安値(35,253円)でのダブルボトムが完成しました。米FOMCを通過後の19日には、37,000円台に値を戻しており、この先、まずは25日移動平均線(9月19日:37,407円)や200日線(同:37,599円)の水準を奪回できるか注目されます。

奪回となれば、8月5日安値に対する二番底を形成した可能性が高まったと捉えられ、75日線(同:38,313円)や9月2日戻り高値(39,080円)を超える動きに繋がってくるとみられます。

一方で、戻りが鈍く、再度調整となる場合は、9月9日安値(35,247円)や、8月以降の上昇幅に対する半値押しの水準(35,118円)が下値メドとして意識されます。

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(注1)直近値は2024年9月19日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

日経平均株価は8月に歴史的な下落を演じ、9月に入ってからも振れ幅の大きい状況が続いています。ただ、ブラックマンデー時の動きを参考とすれば、今後は徐々に落ち着きを取り戻し、年末にかけては本格的な戻し相場入りとなることが期待されます(図2)。

(注1)(注1)直近値は2024年9月19日時点。(注2)下落局面はすべてを網羅しているわけではない。(注3)ブラックマンデーや、コロナショック時や今回の下落局面は、直前の高値を起点とした。リーマンショックは2008年9月15日であり、その前営業日を起点とした。  
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

ドル円相場 米利下げ後の反発と今後の長期展望

9月17-18日に開催された米FOMCにおいて、約4年半ぶりとなる利下げが決定されました。直後にドルは対円で下落したものの、すぐに切り返しました。市場では大幅利下げの期待が高まっていたため、噂でドルを売り事実で買い戻すという動きがあったのかもしれません。この先、145円前後の水準を回復すれば、年末にかけては一旦落ち着きを取り戻すと考えられます(図3)。

(注1)直近値は2024年9月19日時点。数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。
(出所)日本銀行より野村證券投資情報部作成

ではその後、スムーズに今年7月高値(161.94円)の突破に向けた動きへ移行するのでしょうか。長期月足チャートのサイクル面からみれば、今年7月高値超えには、年単位の日柄調整が必要だと考えられます(図4、図5)。

1975年以降は8年前後(83~107ヶ月)の周期で主な高値を形成してきました。今年7月高値時点で、前回のサイクル高値から約9年(110ヶ月)が経過し、過去5回のサイクルを超えて最長の期間となっており、トレンドが転換した可能性が高まっています。

前回のサイクル高値(2015年6月:125.66円)形成後は、約1年程度かけて26円幅の円高・ドル安となっており、今回は特に日柄面での調整不足感が否めません。一方で10年を超える超長期トレンドについては、2011年以降は上向きに転じているとみられ、大幅な円高・ドル安に進展する可能性は低いと考えられます。また、2032年頃とみられる次のサイクル高値は今回のサイクル高値(161.94円)を上回る水準となると考えられます。

今年7月高値超えには時間がかかるとみられますが、10年単位の時間軸で考える投資家にとってはチャンスと捉えることもできるのではないでしょうか。

(注1)直近値は2024年9月19日。 数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端含み。
(出所)日本銀行、日本相互証券、FRB、Wall Street Journalより野村證券投資情報部作成

(注1)直近値は2024年9月19日時点。数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)日柄は両端含み。(注3)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。
(出所)日本銀行より野村證券投資情報部作成

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

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