※画像はイメージです。

※2025年8月7日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

米雇用統計後の動揺は25日移動平均線が下支えに

今週の日経平均株価は、前週末に発表された米雇用統計を受けて景気悪化懸念が再浮上し、大幅安で始まりましたが、その後は反転上昇となりました。 

日足チャート(図1)を見ると、日経平均は7月下旬に一時42,000円台を付けた後、調整局面に入りました。8月4日は大きく下落し、これまで何度も下支えとなってきた25日移動平均線(8月7日:40,302円)を一時下回りましたが、すぐに切り返しました。今回も25日線が下値の支えとして機能した形で、今後もこのラインを維持しつつ、7月24日の高値(ザラバベース:42,065円)を上回れるかが注目されます。

(注1)直近値は2025年8月7日時点。
(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

一方で、25日線を維持できず、8月4日安値(同:39,850円)を下回る場合、7月14日安値(同:39,288円)が次の下値メドとして挙げられます。

尚、週足チャート(図2)で中長期的な動きを確認すると、6月下旬の急上昇により、52週移動平均線と昨年7月高値以降の下降トレンドラインを突破し、中長期上昇トレンドが形成されています。今後も一時的な調整はあっても、この上昇トレンドは継続すると考えられます。

(注1)直近値は2025年8月7日時点。
(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。  
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

東証REIT 大底脱却からの急上昇、中長期的上昇へ

8月に入り、米国の景気悪化懸念から日本のマーケットも神経質な展開となりました。ただし、中小型株やグロース市場、REIT指数等は8月に入ってからも堅調な動きが続いています。今回は東証REIT指数の中長期トレンドについてみてみましょう(図3)。

(注1)直近値は2025年8月5日。天底の数値は日次終値ベース。
(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)JPX総研より野村證券投資情報部作成

東証REIT指数は、今春に次々とチャート好転のシグナルがみられました。①これまで概ね上値を抑えられてきた52週移動平均線を上抜けし、②さらに2021年7月高値から続く下降トレンドラインを上回りました。さらに、大底形成のシグナルの一つである逆三尊が完成しており、これらシグナルを踏まえれば、昨年12月安値を大底とする数年規模の中長期上昇トレンドに入ったと考えられます。

8月にかけての大幅上昇によって、2021年7月高値以降の下落幅に対する半値戻し水準(1,899pt)に接近しています(8月5日時点)。到達となれば達成感から、一旦は押しを入れる可能性も考えられます。ただ中長期的な上昇トレンドは続くとみられ、先行きは同61.8%戻し(1,967pt)や心理的フシの2,000ptを目指す動きとなると考えられます。

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

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