※画像はイメージです。
※2024年11月7日(木)引け後の情報に基づき作成しています。
日柄調整をこなし、年末にかけて戻し相場入りが期待される
今週の日経平均株価は、6日の場中に米大統領選挙でトランプ氏優勢との報道を受け、大幅上昇となりました。ただ、7日は伸び悩む展開となりました。
チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、10月27日の衆議院選挙後はイベント通過による買い戻しが広がり、30日高値(39,417円)にかけて値を戻しました。
その後、一旦押しを入れましたが、11月6日に大統領選挙でトランプ氏優勢が伝えられる中、株価は大幅上昇となり、25日移動平均線(11月7日:38,852円)を奪回して、10月30日高値(39,417円)も上回りました。
各種テクニカル指標面に過熱感はなく、今後10月15日高値(40,257円)を目指す展開が期待されます。同高値を上放れとなれば、9月下旬以降の保ち合い上限を上抜けることになるため、上昇に弾みがつくと考えられます。
一方、目先の上値が重く再度25日線を割り込んで調整となる場合は、200日線(11月7日:38,437円)や75日線(同:37,909円)などが下値メドになると期待されます。
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(注1)直近値は2024年11月7日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
8月に急落した日経平均株価は、9月・10月も振れ幅の大きい動きがみられていますが、10月高値までの上昇で底入れパターンであるダブルボトムが完成し、さらに8月5日の安値から約3ヶ月が経過し日柄調整も十分となっています(図2)。今後徐々に落ち着きを取り戻し、年末にかけて本格的な戻し相場入りとなることが期待されます。
(注1)直近値は2024年11月7日時点。 (注2)下落局面はすべてを網羅しているわけではない。(注3)ブラックマンデーや、コロナショック時や今回の下落局面は、直前の高値を起点とした。リーマンショックは2008年9月15日であり、その前営業日を起点とした。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
米大統領選トランプ氏勝利、NYダウは史上最高値へ
米国大統領選挙においてトランプ氏が勝利宣言をしました。選挙結果を織り込む過程で、米株高、米長期金利上昇、円安・ドル高へ振れており、金融市場で投資家がリスクをとる姿勢を示す、いわゆる「リスクオン」の様相を呈しています。
NYダウは、11月6日に前日比で1,508ドル高の大幅上昇となり、史上最高値を更新しました(図3)。トランプ氏の掲げる、法人税減税や規制緩和期待が株式市場から評価されている模様です。今回は、NYダウの先行きについて、チャート面から考えてみてみましょう。
(注1)直近値は2024年11月6日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)ブルームバーグ、S&P ダウジョーンズ・インデックス社より野村證券投資情報部作成
まず、過去3回の大統領選挙とNYダウの中長期トレンドについてみてみましょう(図4)。2012年、16年、20年の米大統領選挙のケースでは、株価は選挙日までは直前の高値前後での推移でしたが、選挙後にはそれらの水準を明確に上放れし、中長期上昇トレンド入りとなりました。
今回は既に中長期上昇トレンド入りとなっていますが、今後上昇に弾みがつき、中長期上昇トレンドが一層明確となることが期待されます。
次に、上昇余地を考える上で、過去のNYダウの中長期上昇局面をみてみましょう。2009年安値形成後に5回(図4中①~⑤)の上昇局面がありましたが、コロナショックで高値形成となった局面(同:④)を除けば、株価は安値から1.7~2.0倍となっています。
仮に上昇倍率1.7倍を2022年9月安値に当てはめて計算した場合、48,832ドルと試算され、今後も上昇の余地があると考えられます。
(注1)直近値は2024年11月6日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社より野村證券投資情報部作成
(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)