※画像はイメージです。
※2024年12月12日(木)引け後の情報に基づき作成しています。
10月15日高値(40,257円)を上放れとなれば、上昇に弾みも
今週(12月9日~)の日経平均株価は、円安進行などを好感し、堅調に推移しました。
チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、9月下旬から、下限を3万7千円台半ばとし、上限を4万円前後とする保ち合いが継続しています。しかし、11月28日安値(37,801円)形成後、12月3日にかけての株価上昇で38,200~700円台(12月3日時点)のレンジに収れんする25日・75日・200日移動平均線を明確に上抜けし、さらに12日の取引時間中には11月7日戻り高値(39,884円)を超えて、一時4万円の大台を回復しました。
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(注1)直近値は2024年12月12日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
この先、10月15日高値(40,257円)を上放れとなれば、9月下旬以降の保ち合いを上抜けしたこととなるため、上昇に弾みがつきやすいと考えられます。その場合、7月11日につけた史上最高値(ザラバベース:42,426円)を視野に入れる動きとなると考えられます(図1)。
一方で、目先の上値が重く、再度25日線(12月12日:38,831円)や200日線(同:38,698円)を下回る水準に押し戻される場合は、11月28日安値(37,801円)が下値のメドと考えられます(図1)。
他方、8月安値(31,156円)以降の上昇過程で底入れのパターンであるダブルボトムが完成しています。また、8月安値から、これまでに約4ヶ月が経過し、9月下旬以降の保ち合いについても既に約2ヶ月半が経過しており、日柄調整が十分となっています。この先、保ち合いを上抜けし、本格的な上昇相場再開となることが期待されます(図1)。
干支相場 2025年~巳年縁起~
2024年も残り僅かとなりました。年末が近づくと、25年の干支「巳年」が話題に上がります。古来、蛇は「神の使い」として信仰の対象とされ、脱皮を繰り返し成長するさまは「生命力」「復活・再生」の象徴とされます。
戦前を含めた過去8回の「巳年」の日経平均株価の年間平均騰落率は+6.7%で、十二支の中で8位にとどまります(図2)。冴えない印象ですが、アベノミクス初期の2013年(+56.7%)や平成バブル末期の1989年(+29.0%)など、大幅上昇した年もあり、戦前の世界恐慌時の1929年(-33.1%)などを除いて戦後だけに限れば、年間平均騰落率は+13.4%まで改善します。
(注1)直近値は2024年11月末
(注2)1921年(大正10)~49年(昭和24)はフィッシャ-式株価指数(グレー表示)、1950年(昭和25)以降は日経平均株価。1945年の株価騰落率は9~12月の株価が発表されていないため、1946年1月の株価を使用して算出。
(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成
2025年の干支は、正確には『乙巳(きのと・み)』です。歴史を紐解くと、前回の「乙巳」は60年前の1965年です。前年の東京オリンピック開催の余韻が残る中、11月には戦後最長の57ヶ月間に及ぶ「いざなぎ景気」がスタートします。前年の東海道新幹線開業に続き、名神高速道路が全線開通、5年後の日本万国博覧会(大阪万博)開催が決定するなど、将来の経済大国へ向けて成長が加速していく年となりました(図2)。
また、十二支にまつわる兜町の相場格言には、『辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ。戌(いぬ)笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁盛、丑(うし)つまずき、寅(とら)千里を走り、卯(うさぎ)は跳ねる』とあります。ここでの「天井」はネガティブな意味ではなく、「高値で推移する」ことを意味します。2025年、金運や幸運を招くとされるヘビにあやかりつつ、未来への強い一歩を踏み出したいものです。
(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)