来週の注目点:日米金融政策会合、中国の経済対策効果の確認
今週は17日(火)~18日(水)に米国で、18日(水)~19日(木)には日本でも中央銀行の金融政策決定会合が開催されます。
FRBの政策判断を見極める上で注目された11月CPIは食品・エネルギーを除くコア指数の前月比上昇率が市場予想に一致したことから、市場では今回のFOMCにおける利下げをほぼ織り込んでいます。ただし、コアCPIは4ヶ月連続で前月比+0.3%と、年率換算でインフレ目標である2.0%を上回る上昇率を続けていること、トランプ次期政権が関税の引き上げを公言していることから、「FRBは早晩、様子見に転じるのではないか」との見方が高まっています。今回の会合では経済・政策金利見通しが公表されることから、FRBが次期政権の政策をどの程度経済見通しに織り込んでいるかを含めて、政策金利見通しが注目されます。
日銀に関する市場の利上げ織り込みは2割程度と低調です。ブルームバーグが「日本銀行は消費者物価の上昇に加速感が見られず、海外経済の不確実性が強まっている中で、追加利上げを急ぐ状況にはないと認識している」と報じたこと等が影響しているようです。ただし、次回25年1月会合まで見れば75%程度織り込まれていることから、仮に今会合で利上げが行われても24年7月会合後のような混乱にはつながらないと見ています。
米国では重要指標の発表も複数予定されていますが、特に注目すべきは20日(金)の個人消費支出・所得統計です。米国経済の成長持続力を測る上では個人所得・消費動向が重要な上、FRBがインフレ指標として参照しているのは同時に公表されるPCE(個人消費支出)コアデフレーターです。
中国では16日(月)に11月の鉱工業生産と小売売上高、1-11月の固定資産投資、不動産投資が発表されます。24年9月以降講じられてきた経済対策の影響を確認する点から、小売売上高の増加が持続しているか、不動産投資や鉱工業生産にも経済対策の恩恵が及んでいるかといった点がチェックポイントです。
(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)
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