(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
7日の米国株式市場では、主要3指数が揃って下落しました。11月のJOLTS求人件数が市場予想を上回ったことに加え、12月のISMサービス業景気指数が市場予想を上回り、前月から回復しました。これら経済指標の結果を受け、インフレの再燃が懸念される中、米国金利の上昇が株価を押し下げました。
相場の注目点
1月中旬から、S&P500指数構成企業の2024年10-12月期の決算発表が本格化します。2025年1月3日時点の調査会社LSEG集計による市場予想平均では、同期の四半期EPS(一株当たり利益)は前年同期比+8.1%と推定されており、2024年7-9月期の同+8.4%と比べ、増益率が若干鈍化する見込みとなっています。しかし、2024年7-9月期を振り返ると、同期の決算発表が本格化する直前の2024年10月4日時点の集計では同+4.1%と予想されていましたが、純利益の決算実績が事前のアナリスト予想平均を上回るポジティブサプライズの比率が76.0%と高くなったことで、実際には同+8.4%まで拡大しました。既に決算発表が始まっている2024年9-11月期を決算期とする企業については、発表を終えた19社について、純利益のポジティブサプライズ比率は78.9%となっています。2024年10-12月期についても同様の傾向が続けば、現時点での推定である前年同期比+8.1%よりは高い増益率となり、2024年7-9月期の同+8.4%を上回る可能性も考えられます。
本日のイベント
本日の注目イベントは米国の12月FOMC議事要旨と12月ADP全米雇用レポートです。これらを受け、米国長期金利がさらに上昇するかが注目されます。
(野村證券 投資情報部 寺田 絢子)
(注)データは日本時間2025年1月8日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。