決算概要2024年10-12月期(2024.12期第4四半期)

EPS実績は市場予想を上回った

米国時間2月4日引け後に、「グーグル」や「ユーチューブ」といったインターネット広告事業やAI・クラウド事業などを行うアルファベット(GOOGL US)が2024年10-12月期(2024.12期第4四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を0.1%下回り、EPSは市場予想を1.0%上回りました。

クラウド部門の実績軟調も、設備投資強化へ

クラウド部門の売上高実績は、市場予想を下回りました。AIによるクラウド部門収益への貢献が市場予想よりも遅れたためと考えられます。一方で、会社はAIへの顧客からの需要は強いとコメントしました。

検索広告事業ではAIによる要約機能や画像の一部についての検索などの新機能がユーザーの満足度向上につながり、また、動画配信のYouTube 事業も引き続き堅調だったと会社はコメントしました。

会社が示した2025年12月期通期の設備投資額の見通しは、市場予想を大きく上回りました。会社は、AIによる「今後の機会に自信を持っており、その進展を加速させるため」と説明しました。

売上高とEPSの推移

株価は時間外取引で下落

アルファベットの株価(A株)は、前日比2.56%高で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比7.94%安の190.00ドルで推移しています(NY時間17:17)。クラウド部門のAI関連の収益化が遅れる状況下で巨額の設備投資を実施することによる短期的な収益への不確実性を、一部の市場参加者が懸念したためと考えられます。

株価推移 (6ヶ月日足)

(注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2025年2月4日時点。株価はA株。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2024年10-12月期(2024/12)。灰色はLSEG集計による市場予想平均。2025年1-3月期以降の予想は2025年2月3日時点。
(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成

(文責:野村證券 投資情報部・ 竹綱 宏行)

ご投資にあたっての注意点