※画像はイメージです。

※2025年5月15日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

まずは75日線が下支えとなるか注目

今週(5月12日~)の日経平均株価は、米中関税交渉の進展を受けて約1ヶ月半ぶりに3万8,000円台を回復しましたが、その後は短期的な過熱感などが意識され、上値の重い展開となりました。

これまでの動きをチャートから振り返ってみましょう。日経平均株価は、4月7日に一時30,792円まで下落しましたが、その後、米国の関税政策の一部修正を受けて大幅に反発しました。5月13日には、200日移動平均線(5月15日:37,868円)を上回り、一時38,494円を回復しました(図1)。

しかし、昨年10月から今年2月にかけて長期間保ち合ったレンジ(37,700~40,300円)の中に戻ったため、戻り待ちの売り圧力が強まりやすい状況となりました。さらに、25日線からの乖離率やRSIが短期的な過熱感を示唆していることから、5月13日の高値(38,494円)形成後に押しを入れています。今後、まず75日線(5月15日:37,038円)が下支えとなるか注目されます。もしこの75日線を割り込むと、上向きに転じた25日線(同:35,456円)での反発が期待されるでしょう。

一方で、調整が一巡した後にさらなる上昇が見込まれた場合、心理的な節目である40,000円や、昨年12月27日の高値(40,398円)が次の上値メドとして挙げられます。

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(注1)直近値は2025年5月15日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

東証REIT指数、4年弱の下落トレンドからの脱却へ

5月12日に米中貿易協議で両国が大幅に関税を引き下げることで合意し、世界の株価は大幅上昇となりました。株価が大幅上昇する中で、やや上値が重い動きとなっているのが、東証REIT指数です。しかし、週足や月足チャートにおける大きな相場の流れに着目すれば、これまでの下落トレンドが変化してきたと考えられます。

東証REIT指数の昨年12月安値は、2021年7月高値から3年半となり、2003年以降の主な下落局面の中で過去最長となっており、同安値で大底を形成したと考えられます(図2) 。

(注1)直近値は2025年5月13日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

そして今春に、これまで概ね上値を抑えられてきた52週移動平均線(5月13日:1,701pt)を上抜けし、さらに2021年7月高値から続く下降トレンドライン(1,710pt前後)を上回りました。これまで4年近く続いてきた中長期下落相場が転換した可能性が考えられます(図3)。

この先、昨年8月高値(1,791pt)を超えて、大底形成のシグナルの一つである逆三尊が完成すれば、昨年12月安値をボトムとして、2~3年規模の中長期上昇トレンドに入っている可能性が高いとみられます。今春に見られた変化が、この先の大きな変化に繋がっていくか注目されます。

(注1)直近値は2025年5月13日。天底の数値は日次終値ベース。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社データ、各種資料より野村證券投資情報部作成

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

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