
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
6月24日の米国株式市場では、主要3指数が揃って続伸しました。前日遅くにトランプ大統領がイスラエルとイランの停戦を発表したことを好感し、米国株は大幅に上昇して寄り付きました。また、パウエルFRB議長による半期に一度の下院での議会証言がハト派的と市場で受け止められ、米10年国債利回りが低下したことも株価の後押しとなりました。セクター別では、情報技術、コミュニケーションサービス、金融などが大きく上昇しました。一方、中東の原油供給への懸念が緩和し、原油価格が急落したことでエネルギーセクターが下落しました。外国為替市場では、中東情勢の緊張が緩和し、米国債利回りが低下する中、「有事のドル買い」が進んでいた反動によるドル売りが広がり、1米ドル=144円台後半まで円高ドル安が進展しました。
相場の注目点
本日の日本株は、中東情勢の緊張緩和を受けた米国株の上昇が支援材料になりそうです。イスラエルとイランは停戦合意後に散発的な爆撃を繰り返しましたが、トランプ大統領がそれを強く批判したことで戦局は落ち着きを見せています。今後のポイントは、イランとイスラエルが停戦合意を遵守するかです。イスラエルと米国による空爆がイランの核関連施設に与えた損害は明らかではなく、核開発計画の中核部分は破壊されていないとの分析も見られます。イランが核開発計画を再び進めた場合には、イスラエルがイランを攻撃する可能性が高いと考えられます。中東情勢には目が離せない状況が続きそうです。また、米国の金融政策にも引き続き注目です。足元でパウエルFRB議長が利下げ再開を急がない姿勢を改めて示す中でも、市場では9月利下げの織り込みが進んでいます。経済データ次第では市場の想定が覆される可能性があり、今後の波乱材料になる可能性があります。今後の経済指標やFRB高官の発言には要注目です。
(野村證券 投資情報部 坪川 一浩)


(注)データは日本時間2025年6月25日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。