※画像はイメージです。

※2025年8月21日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

8月19日高値形成後に押し、まずは25日線下支えなるか

今週(8月18日~)の日経平均株価は、週前半に史上最高値をつけましたが、その後は急上昇の反動や米国で半導体関連銘柄を中心に売りが広がった影響で下落しました。

日足チャート(図1)を振り返ると、8月4日安値(39,850円)形成後に大幅に上昇し、12日に昨年7月の高値を突破、19日には史上最高値(ザラバベース:43,876円)をつけました。4~6月期決算を無難に乗り切り、米国の利下げ期待から米国株が上昇したことも追い風となりました。ただし、19日高値形成後は押しを入れています。この先、これまで何度も下支えとなってきた上向きの25日移動平均線(8月21日:41,484円)が今後の下値サポートとなるか注目されます。

(注1)直近値は2025年8月21日時点。
(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

一方、今年4月安値を大底として中長期的な上昇トレンドを形成中だと考えられます。調整が一巡して反発し、8月19日高値(ザラバベース:43,876円)を上回った場合は、心理的節目となる45,000円を目指す展開が期待されます。

日経平均波動解析、過去事例を新値累積数値でみる

日経平均株価は2025年8月に史上最高値を更新していますが、前回の中長期上昇局面(2022年3月安値~24年7月高値)を参考にすると、この先も基調としての上昇は続くと考えられます。ただし、一般に相場は一つの大きな波動の中に複数の小波動があり、直線的に上昇せず、上昇と調整を繰り返しながら推移します。今回は波動の進行度合いを示す「新値累積数値」、つまり大底からの新高値(または天井からの新安値)更新回数に注目しています。

週足チャート(図2)を見ると、前回の上昇局面では4つの上昇波(図中A~D)があり、最大の新高値更新回数は19回(週)、次点が16回でした。今回の上昇局面は、8月18日高値(終値ベース:43,714円)時点で13回の新高値更新で、最大には届いていませんが高値更新を重ねています。また、上昇幅は前回最大の10,362円を今回の12,578円がすでに上回っています。そのため、上昇一巡後に一時的な押しが入る可能性に注意が必要です。

(注1)直近値は2025年8月21日時点。
(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

では、どの程度の押しを想定すべきでしょうか。前回の中長期上昇局面では3回の押しがあり、それぞれ3~7回(週)の新安値更新を伴い、押し幅は3,000円超でした。今回も同様の調整を挟む可能性が高いと考えられます。ただ、過去の波動から学ぶと、一時的な調整でも中長期の視点を持ち、冷静に対応することが重要です。

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

ご投資にあたっての注意点