
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
21日の米国株式市場では、翌日にパウエルFRB議長の講演を控え、S&P500が5営業日連続の下落となるなど、慎重ムードが漂っています。米国の8月の製造業PMI速報値が約3年ぶりの高水準に上昇、FRB高官からは利下げ慎重な発言が相次いだことなどを受けて米国債利回りが上昇、米ドルが主要通貨に対してほぼ全面高となったことも米国株の重石になったとみられます。
相場の注目点
パウエルFRB議長の後任人事に対する関心が高まっています。各種報道によれば現時点で候補者は11名、9月1日前後にベッセント財務長官が面会のうえで候補者を絞り、トランプ大統領に提示する模様です。FOMCには19名のメンバーが参加しますが、投票権を有しているのは議長・副議長を含む7名の理事とNY連銀総裁、輪番で務める4名の地区連銀総裁の12名です。議長の影響力が最も大きいことは論を待ちませんが、合議制で決定する以上、トランプ大統領が意のままにできるわけではありません。20日にはクック理事の辞任を要求するなど、トランプ大統領はFRBに対する圧力を強めていますが、FRBに対する市場の信認低下は投資マネーの「米ドル離れ」を助長し、米ドルや米国債の下落につながるリスクがあります。
本日のイベント
日本時間23時からジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演が予定されています。演題は「経済見通し」についてですが、市場では9月FOMCでの利下げの可能性が示されるかが注目されています。ゼロ回答のリスクは低いと思われますが、仮にそうなった場合には、市場の反応は金利上昇・株安となることが予想されます。
(野村證券 投資情報部 尾畑 秀一)


(注)データは日本時間2025年8月22日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。