※画像はイメージです。
※2025年10月9日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

日経平均10月6日に急上昇、目先のメドは

今週の日経平均株価は、高市氏の自民党総裁選出を受け、景気刺激策への期待や円安進行を背景に大幅上昇し、48,000円台に乗せました。

チャート分析の視点から振り返ってみましょう。日経平均は日銀のETF売却決定などを受けて9月19日高値から10月1日安値にかけて下落しました。その後は再度上昇基調に転じ、高市新総裁誕生後初の取引日となった10月6日にはマドを開けて急騰し、前営業日比で2,000円超の上昇幅となり、歴代4位の大きさを記録しました。

図1:日経平均株価:日足

(注1)直近値は2025年10月9日時点。
(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

この先、信用取引の売り方の買戻しが進む等してさらなる上昇となった場合、上値メドとして25日移動平均線からの10%上方乖離水準(10月9日:49,602円)や、心理的フシである5万円の水準が挙げられます。

一方で、ここまでの急騰で25日移動平均線からの乖離率は5%を超え、短期的な過熱感を示唆する水準となっています。上昇の勢いが衰え、調整に入った場合は、10月3~6日のマド埋め水準(図2-③:45,778円)や、これまで何度も下支えとなっている上向きの25日移動平均線(図2-④:10月9日時点45,093円)前後で下げ止まるかが注目されます。

図2:日経平均株価:日足

(注1)直近値は2025年10月9日時点。
(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

【特集】日経平均 急上昇の反動に注意も、先行きは5万円台へ

高市自民党新総裁誕生後の日経平均株価の大幅上昇を受け、今回は中長期トレンドの行方を検討します。

日経平均は、2025年4月の安値形成後に中長期の上昇局面に入ったと考えられます。前回の中長期上昇局面(2022年3月~24年7月)は、上昇倍率が約1.7倍、期間は約2年でした。これを2025年4月の安値に当てはめて試算すると、2027年には約5万3千円に達する計算となり、先行きの上昇余地は大きいと見られます。

日経平均株価:月足(2006年~)

(注1)直近値は2025年10月9日時点。
(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成

今回の上昇は、安値からおおむね半年で1.5倍超の伸びを示しており、アベノミクス相場のような大きな上昇局面(最終的に約2.6倍)に移行する可能性も排除できません。

ただし、過去の急上昇局面には調整が伴う例がある点に注意が必要です。例えばアベノミクス初期の急上昇局面(2012年11月~13年5月)では、「バーナンキショック」※を受けて大幅下落し、その後約半年の保ち合いを経験しました。今年4月以降の上昇期間は当時を上回っており、上昇一巡後の反動には注意が必要です。

これら一時的調整をこなしつつ、先行きは5万円台を目指す展開が期待されます。

※バーナンキショックとは当時のFRB議長のバーナンキ氏が量的緩和縮小に言及したことによる金融市場の急変のこと

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

ご投資にあたっての注意点