(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

9日の米国株式市場では、S&P500、ナスダック総合はこの日も取引時間中の最高値を更新したものの、前日終値からは反落して引けています。S&P500を構成する11業種中、上昇したのは生活必需品だけであり、AI関連銘柄の過熱感と言うよりも、市場の地合いの悪さを示唆する結果でした。為替市場では引き続き円が主要通貨に対して全面安の展開となり、対米ドルでは6営業日連続で下落しました。昨日の当レポートで言及したように、円安に歯止めが掛からない中で高市自民党新総裁が「行き過ぎた円安を誘発するつもりはない」と発言、一時152円14銭まで買われる場面もありました。ただし、円安は輸出企業の競争力を生む面があるとも指摘しており、為替相場のゲームチェンジャーとはなりませんでした。

相場の注目点

日経平均株価は10月9日、前日から800円以上上昇し、史上初めて4万8,000円台で引けました。市場では「高市トレード」が取りざたされていますが、自公連立政権は少数与党であるうえ、公明党との連立交渉に不透明感が漂う中での高値更新を政策期待とみるのはやや無理があるように思います。株高の背景に円安に伴う業績改善期待があるとすれば、政治的に円安の許容度には限界があると想定されます。株高の持続力を見極める上では、政策や円安と言った外部要因を除いた企業業績の行方が注目されます。

本日のイベント

日本では自公連立継続を巡り、自公党首会談が開催されます。企業・団体献金の規制強化策が焦点になっています。連立継続で合意できれば、日本株高、円安につながる可能性があります。

(野村證券 投資情報部 尾畑 秀一)

注)データは日本時間2025年10月10日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

ご投資にあたっての注意点