
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
2日の米国株式市場では主要3指数はそろって続伸し、ナスダック総合とS&P500は史上最高値を更新、NYダウも終値ベースでの最高値を更新しました。米国では連邦政府予算が失効しており、1日から政府機関の一部が閉鎖される状況が継続していますが、株式市場への悪影響は限定的でした。
バークシャー・ハサウェイによるオキシデンタル・ペトロリアムの化学部門買収など、M&A活動が好感され、S&P500の11業種では素材株が上昇を牽引したほか、情報技術株やコミュニケーション・サービス株も上昇し、また、中小型株指数のラッセル2000も堅調でした。一方で、原油価格の下落を受け、エネルギー株は軟調でした。
相場の注目点
米国では1日からの政府機関の一部閉鎖により、一部の経済指標の発表が延期されるとみられます。本来は3日に発表される予定の9月雇用統計については、現時点では米労働省のウェブサイトの更新が停止されており、発表は来週以降になる可能性が高いと考えられます。政府機関の一部閉鎖は過去にも起こっており、2018年12月22日から2019年1月25日の閉鎖の際にS&P500は閉鎖前の1週間に7.1%下落した一方で、閉鎖中は10.3%上昇しました。株式市場は政府閉鎖を一時的なイベントとして捉えているとみられます。また、経済統計の発表は遅れるものの、現状では裁判所や連邦住宅局、郵便、交通機関などに影響が及んでおらず実体経済への影響は限定的とみられることも一因と考えられます。
政府機関以外が発表する経済指標では本日、9月ISM非製造業景況感指数の発表が予定されています。市場予想は8月と同水準の52.0で、景気拡大・縮小の分水嶺である50を超えた推移となるとみられています。
(野村證券 投資情報部 竹綱 宏行)


注)データは日本時間2025年10月3日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。