(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

8日の米国株式市場はAI関連銘柄がけん引、NYダウは前日比小幅安となったものの、S&P500は同+0.58%、ナスダック総合は同+1.11%と反発、史上最高値を更新しました。恐怖指数と言われるVIX指数の低下を伴っていることから、AI関連株の過熱感の緩和が寄与した面があったようです。為替市場では円全面安の展開が続いています。米ドル円は一時1米ドル=153円まで円安・米ドル高が進行しました。

相場の注目点

米国では2025/26年度予算に絡んだ政府閉鎖の行方、日本では高市自民党新総裁の元での政局の行方と、いずれも政治イベントに市場の関心が集まっています。米国の政府閉鎖は2週目に入りました。実質GDPへの影響は一週間当たり0.1%ポイント程度と試算されることが一般的です。ただし、長期化した場合や公務員の大量解雇を伴う場合は悪影響がより大きくなります。日本の政局を巡っては、公明党との連立交渉の行方、財務大臣を筆頭とした閣僚人事に注目が集まっています。前者は新政権の政権基盤の安定度だけではなく、靖国神社参拝や中国・韓国に対する外交姿勢など、高市氏の政治姿勢を図る試金石とみられています。後者に関しては、財政政策や成長戦略に対する政策スタンスを見極めるポイントとしてみられているようです。また足元で円安が進行していることから、日本の政策当局から円安を牽制するための口先介入の有無が注目されます。日銀、トランプ政権ともに行き過ぎた円安米ドル高は望まないとみられますが、高市氏が金融緩和を志向しているとの見方が円安要因になっているようです。仮に高市氏から円安牽制発言があれば、円安基調転換の契機となることが期待できそうです。

(野村證券 投資情報部 尾畑 秀一)

注)データは日本時間2025年10月9日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

ご投資にあたっての注意点