(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

10月7日の米国株式市場では、主要3指数が揃って下落しました。クラウド事業の利益率が想定を下回るとの一部報道を受けて、企業の活発なAI投資の恩恵を受けると見られていたオラクル株が下落し、AI関連などハイテク株に波及しました。主要株価指数が過去最高値を更新して上昇が続いたことで短期的な過熱感と株価指標の割高感が意識される中、ハイテク株が下落したことが米国株全体の重石となりました。外国為替市場では、高市氏の自民党総裁就任を受けて円安圧力が強まっており、円相場は一時1米ドル=152円台まで円安ドル高が進みました。

相場の注目点

日本の金融市場では高市早苗自民党新総裁の誕生を受けた「高市トレード」の様相が強まっています。高市氏は「アベノミクス」路線を継承し、ハト派的(利上げに慎重)な金融政策、減税や財政支出などの拡張的な金融・財政政策を採用するとみられています。景気刺激策への期待から株式が上昇する一方、国債の増発懸念から超長期債を中心に債券が売られ、外国為替市場では円安が進んでいます。業種別では、円安と利上げ期待後退を受けて外需関連株や不動産株が上昇し、成長投資や経済安全保障を重視する姿勢からAIや半導体関連株などに物色が広がっています。野村證券では、高市氏の政策方針を踏まえて、2025年末の日経平均予想を49,000円(従来は44,500円)、26年末を52,000円(従来は46,000円)に引き上げました。

他方、米国では政府機関閉鎖により雇用統計などの重要指標の発表が延期されるなどしており、政策や実体経済への影響が懸念されます。引き続き米連邦予算案を巡る与野党の協議に注目が集まります。また、本日は9月FOMCの議事要旨、FRB高官の講演が予定されています。経済指標の発表延期が金融政策に与える影響にも注目です。

(野村證券 投資情報部 坪川 一浩)

注)データは日本時間2025年10月8日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

ご投資にあたっての注意点