(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

3日の米国株式市場では、ナスダック総合指数は下落したものの、NYダウとS&P500は続伸し、連日で過去最高値を更新しました。1日に発表された9月ADP全米雇用レポートが低調だったことに加え、この日に発表されたISMサービス業景気指数の雇用指数が4ヶ月連続で好不調の境目である50を下回ったことなどを受け、FRBが10月末のFOMCで追加利下げを実施するとの見方が強まったようです。政府閉鎖の影響で9月米雇用統計の発表が見送られましたが、株式市場では短期的な政府閉鎖であれば米経済への影響は小さいとみられており、株価の反応は限定的となりました。

相場の注目点

4日に行われた自民党総裁選で高市早苗氏が勝利しました。15日に召集されるとみられる臨時国会での首相指名選挙を経て、高市新内閣が発足する見通しです。高市氏は現行の政策金利を維持すべきとの見解を示しています。また財政面では、将来世代に恩恵を及ぶ投資には赤字国債の発行も選択肢としており、拡張的な財政政策が採られる可能性があります。先行きは、自民党幹部の人事や野党との連携の行方、経済対策などに焦点が当たるとみられます。

一方、米国では1日から続いている政府機関の一時閉鎖解消に向けて共和・民主両党の歩み寄りがあるかどうかが注目されます。市場は現在、政府機関の閉鎖は短期間にとどまると想定しているようですが、長期化すれば経済活動への悪影響が懸念されます。また、政府閉鎖により、既に主要な経済指標の発表が延期されています。閉鎖が長期化すれば、15日に発表予定の9月米消費者物価指数など、他の統計にも影響が及ぶ可能性もあります。さらに、重要指標が発表されなければ、月末のFOMCでの金融政策決定にも支障が出る恐れがあり、注意が必要です。

(野村證券 投資情報部 岡本 佳佑)

注)データは日本時間2025年10月6日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

ご投資にあたっての注意点