日本では、今後、臨時国会が召集され首相指名選挙が実施されます。首相指名選挙の実施日は当初15日(水)との見方が優勢でしたが、公明党や野党との連立を見据えた協議に時間を要し、翌週20日(月)~21日(火)まで日程が後ずれする可能性が高まっています。首相指名選挙では高市自民党総裁が首相に選出される公算が大きいとみられます。閣僚の顔ぶれや、野党との連立を踏まえた政策合意などによっては、高市総裁が目指す政策の方向性が変化する可能性もあり、相場を左右する要因になりそうです。

また、今週は複数の日銀政策委員の発言機会が予定されています。高市総裁が日銀の利上げへのけん制とも受け取れる発言を繰り返す中、政策委員の発言内容に注目が集まります。

米国では、政府機関閉鎖により雇用統計などの重要指標の発表が延期されるなど、影響が出始めています。今週は15日(水)に地区連銀経済報告(ベージュブック)、9月消費者物価指数、16日(木)に9月小売売上高、17日(金)に9月住宅着工・建設許可件数、9月鉱工業生産などの重要指標の発表が予定されていますが、一部で政府機関閉鎖による発表延期が続く可能性があります。10月28日(火)~29日(水)にはFOMCの開催が予定されていますが、こちらは予定通り開催される見込みです。市場は10月FOMCでの追加利下げを相当程度織り込んでいますが、政府機関閉鎖による経済データの欠如が政策判断を難しくする中でいかなる決断が下されるか注目です。

中国では、13日(月)に9月貿易統計が発表されます。米国の関税政策を受けて中国の米国向け輸出は前年比で大幅なマイナスとなっていますが、ASEANやアフリカ諸国向けの伸びがカバーしています。特に、アフリカ産品に対する「ゼロ関税」方針を打ち出すなど、アフリカ市場でのシェア拡大策が功を奏しています。

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)

(注)イベントは全てを網羅している訳ではない。◆は政治・金融政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年10月10日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。なお、米国で2025年10月1日から実施された連邦政府機関の一部閉鎖の影響で、米国の経済指標の一部で発表が延期または中止されるものがありますのでご注意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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