①日本:決算発表を終え、市場の焦点は景気動向へ

今週の振り返り

 日経平均株価は、週前半に一時2万8,000円台を割り込みましたが、12日前場は米国株高を受けて、大幅反発となりました。

来週の展望

 決算発表が一巡し、市場の関心は各国の経済指標に移ります。来週は、中国の7月主要経済統計(15日)や日本の6月機械受注と7-9月期見通し(17日)が注目されます。中国の景気動向や設備投資の先行指標となる機械受注の結果は、製造業の今後の業績動向を探る上で重要です。

 また、米国では7月小売売上高(17日)をはじめ主要な景気指標の発表が相次ぎます。景気後退懸念が高まる中、これらの結果は米国株だけでなく、日本株にも影響を与えそうです。

(投資情報部 澤田 麻希)

②米国:小売売上高と小売企業決算で個人消費動向を確認

今週の振り返り

 半導体企業の業績見通し下方修正で警戒感は高まった一方、7月CPIが市場予想を下回り、週後半に上昇しました。

来週の展望

 経済指標では7月小売売上高が発表され、加えて大手小売企業の2022年5-7月期決算発表が多数予定されています。個人消費の動向を見るうえで注目されます。なお、商務省の小売売上高統計は「売上高」についての集計です。小売企業はインフレやサプライチェーン問題の影響を受けている企業も多いとみられ、各企業の決算では「損益動向」を注意してみていきたいと考えます。

 また、半導体企業や半導体製造装置企業の決算発表も予定されており、注目されます。

(投資情報部 村山 誠)

③新興国:インドネシアの輸出好調は続くか?

今週の振り返り

 米7月CPIやPPIの前月からの減速を受け、米国の大幅利上げ期待が後退し、円高ドル安となり、新興国通貨は対円では一部通貨を除いて総じて軟調、対ドルでは堅調な値動きとなりました。

来週の展望

 インドネシアで15日に7月貿易収支、19日に4-6月期の経常収支が発表されます。自国のインフレ対策として導入した禁輸措置の解除により、主要輸出品目である石炭やパーム油などの輸出が好調で、6月は50.9億ドルの貿易黒字でした。しかし、足元で石炭やパーム油の価格は世界的な景気後退懸念などにより下落しており、貿易収支・経常収支が悪化すれば、ルピアの減価要因となるかもしれません。

(投資情報部 岩崎 晴弥)

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