今週の注目点:米国のFOMCに注目

 米住宅市場や消費者心理の悪化を受けて、インフレ圧力がピークアウトし、FRB(米連邦準備理事会)が利上げ幅を縮小するとの期待が一部に見られます。それに伴い、米10年国債利回りが低下し、財務省短期証券3ヶ月物利回りを下回る逆イールドが生じています。このような逆イールドは、引き締めサイクルの終盤に散見され、市場参加者が景気後退入りを予想していると考えられます。11月1日(火)~2日(水)に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)ではインフレのピークアウト感、利上げ幅に関する議論が注目されます。

 米国の経済指標では、31日(月)に10月シカゴ購買部協会PMI、11月1日(火)に10月ISM製造業景況指数、2日(水)に10月ADP全米雇用レポート、3日(木)に10月ISMサービス業景況指数、4日(金)に10月雇用統計が発表されます。景況感は悪化すると見られる一方、賃金の伸びが減速するか注目されます。

 日本では、31日(月)に9月鉱工業生産(速報)が発表されます。引き続き消費や設備投資需要の回復や供給制約の緩和が景気を下支えする一方、半導体関連の市況が悪化しており、野村證券では前月比での低下を予想します。

 欧州では、31日(月)にユーロ圏の7-9月期実質GDP速報値、10月消費者物価指数(HICP)、11月4日(金)にドイツの9月製造業受注が発表されます。野村證券では、エネルギー供給不安が高まる中でもユーロ圏の7-9月期の経済活動は底堅く推移しましたが、10-12月期から景気後退入りし、2023年末までマイナス成長が続くと予想します。

 中国では、31日(月)に10月政府版PMI、11月1日(火)に10月財新版・製造業PMI、3日(木)に10月財新版・サービス業PMIが発表されます。国慶節(10月1~7日)の連休期間中には旅行自粛が要請され、一部都市での行動制限が続いていることが景況感を下押しすると見られます。

(投資情報部 坪川 一浩)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2022年10月28日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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