米国:2022年10-12月期決算プレビュー

10-12月期は前年同期比減益予想

 1月中旬から、S&P 500 指数構成企業の2022年10-12月期の決算発表が本格化します。

 2022年12月30日時点の調査会社リフィニティブ集計による市場予想平均では、同期の四半期EPS(一株当たり利益)は、前年同期比-0.1%と予想されています。

 コロナ禍からの反動が一巡したこともあり、2021年7-9月期以降、増益率は鈍化してきていましたが、 2022年10-12月期は若干ながらも減益予想となっています。

 なお、2022年7-9月期決算のポジティブサプライズ比率(決算実績が事前のアナリスト予想を上回った企業の比率)をみると、売上高、純利益とも直近4四半期平均よりは低下していますが、長期平均と比較すると、引き続き高い水準となっていました。

アナリスト達は慎重に見直している模様

 リビジョンインデックスの動向をみると、FY1(予想1期目)については、2022年11月23日以降、1を越えていましたが、12月21日時点では0.99と再び1を割りました。FY2については、12月14日時点では1.00となっていましたが、12月21日時点では0.90と再び1を下回りました。元々、決算発表直前に低下する傾向はあるものの、2022年10-12月期決算発表を控え、アナリスト達は業績予想を慎重に見直していると推察されます。

決算発表時の注目点

 年度ベースについてみると、現時点では2023年から2024年にかけて、最高益を更新していくと予想されています。中には2023年に減益となる企業もあるとみられますが、独自の技術力やビジネスモデルで、景気動向に関わりなく製品・サービスの普及が進んでいる企業が牽引することで、今後も業容を拡大していくと予想されていると推察されます。

 実際の決算発表では、足元の経営環境を踏まえると、会社側が慎重な業績見通しを示してくる可能性が高いとみられます。これを受けて、アナリスト達の業績予想が一段と引き下げられる展開も考えられます。決算発表の際には、今後の事業環境をどのようにみているか、会社業績見通しや経営陣のコメントをチェックしたいと考えます。

(投資情報部 村山 誠)

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