特集
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07/30 08:26
【野村の朝解説】米国株は決算・FOMCを控え様子見小動き(7/30)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り NYダウは小幅安、S&P500指数とナスダック総合指数は小幅高となり、米国株市場全体としては方向感の無い動きとなりました。大手テクノロジー企業の決算発表や、30-31日に開催されるFOMCを控えて様子見姿勢が強まったとみられます。一方、決算発表シーズンであることから、個別企業では決算発表によって株価の騰落が大きく現れているものもあり、車載半導体のオン・セミコンダクターは市場予想を上回る業績を受けて、前日比+11.54%と急騰しました。他方、マクドナルドの決算発表で業績は市場予想を下回ったものの、5米ドルセットの売れ行きが好調との内容が今後の売り上げ増を期待させる内容であったことから、株価は前日比+3.73%となりました。 相場の注目点 昨日の日本企業の決算発表では、2025.3期通期業績会社予想について、ファナックが上方修正する一方、小糸製作所が下方修正していました。この他にも決算を発表した企業は多く、本日の市場の反応が注目されます。本日取引時間中の主要企業の決算発表は、12:00に双日、13:00に清水建設、14:00にヤクルトなどの発表があります。 本日のイベント 日米企業決算の発表が相次ぎます。本日、日本での引け後の主要企業の決算発表は、オリエンタルランド、村田製作所などがあります。米国市場でマイクロソフトの決算発表があります。本日から明日にかけて、日本銀行とFRBがそれぞれ金融政策を決定する会合を行います。日本では今後1-2年の国債買い入れの減額計画が発表されるようですが、政策金利については現時点で日米ともに据え置きが市場で予想されています。 (投資情報部 小髙 貴久) (注)データは日本時間2024年7月30日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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07/29 19:00
【週間ランキング】日本株の値上がり/値下がり銘柄は?(7月第4週)
※画像はイメージです。 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(上位) 2024年7月第4週(2024年7月19日~7月26日) 2024年7月月間(2024年6月28日~7月26日) 2024年年間(2023年12月29日~2024年7月26日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2024年7月26日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(下位) 2024年7月第4週(2024年7月19日~7月26日) 2024年7月第4週(2024年7月19日~7月26日) 2024年年間(2023年12月29日~2024年7月26日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2024年7月26日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 <参考>今週の日本株式市場パフォーマンス 主要指数 TOPIX: 東証33業種 (注)業種分類は東証33業種ベース。直近値は2024年7月26日時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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07/29 16:04
【野村の夕解説】日経平均株価、米国株高を受け9営業日ぶりに大幅反発(7/29)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 前週末の米国市場では、インフレ指標の鈍化が好感され主要3指数は揃って上昇しました。本日の日経平均株価は、米国株高の流れを引き継ぎ幅広い銘柄が上昇し、前週末比471円高の38,139円で取引を開始しました。前週末までの8営業日で約3,600円の下落となっていた反動もあり、10時過ぎには一時前週末比1,052円高の38,719円まで上げ幅を拡大しました。しかし、急速な上昇への警戒が高まり、その後は38,600円前後での推移を続けました。今週の水曜日には日米ともに金融政策の結果発表を控えており、引けにかけては上げ幅を縮め、前週末比801円高の38,468円で取引を終えました。日経平均株価は9営業日ぶりの反発となりました。東証プライム市場では値上がり銘柄数が1,571銘柄と全体の95%を上回る全面高となりました。 個別銘柄では前日引け後、好決算を発表した信越化学工業が前週末比+8.56%と上昇する一方で、失望的な内容の決算を発表した日立建機は同−9.54%と下落しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 日米ともに決算発表が相次ぎます。日本では本日引け後に小松製作所やファナック、米国ではマクドナルドの決算が発表され、明日の市場での評価が注目されます。 (野村證券投資情報部 神谷和男) ご投資にあたっての注意点
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07/29 08:42
【野村の朝解説】米国株高を受け、反発力が試される日本株(7/29)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 前週末の米国市場では、インフレ指標の鈍化を受け主要3指数は揃って上昇しました。長期金利の指標となる10年物国債利回りは4.2%を下回り、金利低下も追い風となり、S&P500採用銘柄の9割近くが上昇するなど幅広い銘柄が上昇しました。朝方、好決算を発表したスリーエム(3M)が前日比+22.99%と大幅に上昇するなど、好業績が決算で確認された銘柄群の上昇が目立ちNYダウは同+1.63%の続伸となりました。ハイテク株も上昇し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は同+1.95%と4営業日ぶりの反発となりました。 相場の注目点 日経平均株価は前週末までの8営業日で約3,600円の下落となりました。25日移動平均線とのカイリ率は−5.95%(7/26時点)と一時37,000円を下回った4/19時点の−6.26%に次ぐカイリ率となりました。過去概ねこのカイリ率が−5%を超えて下落した後は下落の反動ともいえる動きとなる事例が目立ちます。前週末引け後に発表した2024年4-6月期決算で業績上振れとなった、信越化学工業やSCREENホールディングスの上昇も期待され、日経平均株価の反発力が試される1日と想定されます。 本日のイベント 本日引け後には小松製作所やファナック、塩野義製薬などの決算発表が予定されています。米国ではマクドナルド、オン・セミコンダクターが決算を発表します。 (投資情報部 神谷 和男) (注)データは日本時間2024年7月29日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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07/28 16:00
【特集】公的年金受給額が2年連続で増額 受給額決定のカギ「マクロ経済スライド調整率」とは
2024年度の公的年金受給額の改定は、前年度と比べて2.7%の増額になりました。増額は、昨年度に続いて2年連続となりました。毎年の公的年金受給額の改定の仕組みと、公的年金を補完するための資産形成の考え方について、野村證券投資情報部の山本昌幸が解説します。 賃金・物価の変動率からマクロ経済スライドを差し引く ――公的年金を受け取っている方から「少しずつ受給額が増えている」と聞きました。これは本当なのでしょうか。 山本昌幸(以下、同) 本当です。年金額改定は、毎年1月に厚生労働省が発表し、新年度(4月以降)の年金受給に反映されます。年金は年6回、偶数月に前月までの2カ月分が支払われるため、6月には4月と5月分が支給されています。つまり、この6月支給分から2024年度分の支給が始まり、前年度と比べてプラス2.7%と、支給額が増えています。 ただ前提として、公的年金の年金額は、それまでの国民年金保険料の納付月数や厚生年金の加入期間に応じて計算されます。個人によって受け取れる年金額が満額の方も、そうでない方もいます。このように個人の状況によってベースは異なりますが、世の中の物価や賃金の変動に応じて、毎年度ごとに年金額が改定されています。 ――毎年度の公的年金の改定は具体的にはどのような仕組みで決まるのでしょうか。 年金の受給開始は基本的には65歳ですが、年金額決定の仕組みに理由があり、年金受給権者の年齢(67歳以下と68歳以上)によって、改定の仕方が少し異なります。 67歳以下の受給権者には、改定に「名目手取り賃金変動率」を用います。2024年度に使われる名目手取り賃金変動率の数値は、以下の計算の通り、プラス 3.1%となります。 (出所)野村證券投資情報部作成 68歳以上の受給権者だと、改定に「名目手取り賃金変動率」か「前年の物価変動率」のどちらか低い数値を用います。名目手取り賃金変動率がプラス3.1%、2023年の物価変動率がプラス3.2%のため、2024年度の数値には低い方の名目手取り賃金変動率のプラス3.1%を用います。 ここから「マクロ経済スライド調整率」を差し引きます。マクロ経済スライドによる調整とは、公的年金の支え手である現役世代の過度な負担を回避するために、賃金や物価の変動がプラスとなる場合、そのプラスの範囲内で、労働者数の減少と平均余命の伸びを踏まえて給付額を抑える仕組みのことです。具体的には、「2年度前から4年度前までの3年度平均の公的年金被保険者総数の変動率」と「平均余命の伸び率」に基づいて設定されています。2024年度に使われるマクロ経済スライド調整率は、以下の計算の通り、マイナス0.4%となりました。 (出所)野村證券投資情報部作成 2024年度の公的年金は、67歳以下も68歳以上も、ともに前述の方法で算出した数値はプラス3.1%だったため、その指数からマクロ経済スライド調整率の0.4%を差し引き、プラス2.7%の改定率になりました。つまり、2024年度の公的年金受給額は、前年度から2.7%引き上げられたわけです。 増額の中、差し引く調整率は微増傾向 ――公的年金の改定率はどのように推移しているのでしょうか。 2020年度から2024年度の公的年金の改定率を見てみましょう。直近の2年度は、以前の年度と比べて賃金と物価の上昇が大きかったこともあり、それを反映して改定率もプラスとなり、公的年金は2年連続で増額したと理解できます。 公的年金額の改定率の推移(2020年度~2024年度) 公的年金額の改定率の推移(2020年度~2024年度)(注)2023年度は物価上昇などを受けて3年ぶりにマクロ経済スライドが発動されました。2021年度および2022年度は、公的年金の改定率がマイナスとなったので、マクロ経済スライドの適用を見送った結果、2023年度は、2022年度まで繰り越されたマクロ経済スライド-0.3%と合わせて、-0.6%の調整が行われました。(出所)野村證券投資情報部作成(出所)野村證券投資情報部作成 ――賃金と物価の変動率に合わせて公的年金も増額されるのであれば、安心感が増しますよね。 ただし、マクロ経済スライド調整率の推移も気になる点ではあります。前述の通り、マクロ経済スライド調整率は公的年金の「給付」と現役世代の「負担」のバランスのために設定されているため、現役世代の「負担」が大きくなればその分、差し引かれる割合が大きくなります。直近の2年度を見てみると、2023年度はマイナス0.3%、2024年度はマイナス0.4%と、マイナス幅がやや増えてきていることが分かります。 とは言え、マクロ経済スライド調整率は前述の通り、賃金や物価の変動がプラスとなった場合、そのプラスの範囲内で繰り越し分を含めて差し引かれるものです。公的年金は基本的に、賃金や物価が上昇すれば改定率はプラスになる仕組みになっているため、過度に悲観的になることはありません。 ――年金額の毎年度の改定の仕組みが分かって少し安心しました。これを踏まえて、マネープランのアドバイスはありますか。 「公的年金をマネープランにうまく活用する」というのは大事な考え方です。マネープランにおいては、公的年金額だけでは足りない場合が多いため、足りない分を補完する必要があります。 現在の預金金利だけでは、お金はなかなか増えません。特にインフレが進んだ場合、インフレ以上に金利がつかないと、現金の実質的価値は減少してしまいます。 そこで、長期的に「お金を育てる」、言い換えれば、「お金に働いてもらう」という考え方が必要になってきます。具体的には、中長期的な資産運用の効果が期待できる株式や債券、投資信託などにお金をバランスよく「就職」させて、「お金に働いてもらう」ことが重要です。 フランスの小説家・サン=テグジュペリは、「計画のない目標は、ただの願いごとにすぎない」といったと伝わっています。支給される年金額が改定されたこのタイミングに、公的年金も含めたマネープランを一度、見直してみてはいかがでしょうか。 ご投資にあたっての注意点
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07/28 09:00
【8月の投資戦略】短期的な調整局面があっても、業績拡大で乗り越えると予想
目次・史上最高値更新は業績拡大への期待が背景・FRBは9月に利下げへ・米国企業業績の拡大は様々な業種に広がる・中国を取り巻く通商問題に注意・賃金と物価の好循環への信頼が強まれば利上げへ・金利上昇局面ではPERの切上りも一般的 史上最高値更新は業績拡大への期待が背景 2024年2月の日経平均株価に続き、7月にTOPIXは約34年半ぶりに資産バブル期以来となる史上最高値を更新しました。米国では景気に配慮した利下げが近づきつつあります。我々は、米国株式市場は金融相場から業績相場に、日本株市場も業績拡大が続くことで、株式市場の好環境が持続するとみてきました。米中通商問題や米国大統領選挙など、政治的に不透明な問題はありますが、株式市場を見る上での基本観は企業業績との見方は変わりません。 FRBは9月に利下げへ 主要先進国・地域の経済成長率は、巡航速度に落ち着くとみられます。米国では雇用情勢の緩和とインフレの減速が進んでおり、FRB高官の一部からは、雇用の悪化リスクに配慮すべきとの意見がみられます。FRBの利下げ開始は9月からとの見方が強まっており、金融市場は年内2回以上の政策金利引き下げを織り込んだ状態にあります。 米国企業業績の拡大は様々な業種に広がる 米国大統領選挙については、共和党のトランプ候補の支持率が上昇しています。米国第一主義を掲げ、エネルギー産業への支援を打ち出す一方、輸入関税の引き上げや、特に中国に対する強硬姿勢を示しています。他方、バイデン大統領はハリス副大統領候補を後任候補に推薦しました。企業業績は、2024年末に向けて二桁増益への加速が見込まれています。AI関連の製品・サービスを手掛ける大手テクノロジー企業の業績が伸長してきましたが、その他の企業群もいよいよ増益に転じることで、米国企業全体の利益成長は加速するとみられます。 中国を取り巻く通商問題に注意 ユーロ圏はフランスや英国で議会選挙が実施されました。フランスでは極右勢力の躍進に歯止めがかかり、その後、金融市場は概ね落ち着いています。ユーロ圏では緩やかなペースでの利下げが続くとみられます。中国は不動産市況の不振による内需の停滞が続く中で、輸出を推進する動きが強まっています。米国や欧州と、中国との通商問題の高まりには注意が必要でしょう。 賃金と物価の好循環への信頼が強まれば利上げへ 日本では品質不正問題などから自動車産業の不振が続いているものの、電子部品をはじめその他の製造業の業況は好転入りが示唆されます。設備投資にも持ち直しがみられます。賃金上昇が明確化し、賃金と物価の好循環への信頼が強まれば、日本銀行による追加利上げが視野に入ります。2024年7月の金融政策決定会合では、国債買い入れの具体的な減額計画が発表されます。その後、野村證券は10月に利上げが行われると予想します。 金利上昇局面ではPERの切上りも一般的 円安の加速に歯止めをかけるため、政府は為替介入を実施しました。ただし、米ドル円相場の反転には、米国政策金利の引き下げが大きな鍵を握ります。日本の2024年度の企業業績は、円安の追い風もあって、4-6月期決算発表時に、年度当初の保守的な会社予想を上回る業績が示される可能性があります。また、企業の自社株買いは今後増加してゆくとみられます。景気拡大を起点とした金利上昇の中で、PER(株価収益率)の切上りは一般的です。野村證券は、2024年末の日経平均株価は42,000円、年内のレンジ上限は46,000円と予想します。 投資戦略については、短期的な調整局面があったとしても、基本観として、日米株式市場は企業業績の拡大に沿って推移するとみます。米国では政策金利の引き下げが株価の支援材料となり、日本の利上げは予想される幅では景気や企業業績の失速要因にはならないとみます。 (野村證券投資情報部 小髙 貴久) ※野村證券投資情報部「Nomura 21 Global 8月号」(発行日:2024年7月22日)「投資戦略の概要」より※掲載している画像はイメージです。 Nomura21Global参考銘柄について ご投資にあたっての注意点
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07/27 19:00
【来週の米国株】一時1ドル=151円台、先行きはFOMC&日銀会合に訊け(7/27)
※執筆時点 日本時間26日(金)12:00 今週:ハイテク決算は「欠点凝視」で下落 ※7月19日(金)-7月26日(木)4営業日の騰落 政治・金融政策への不透明感増し株安・ドル安 前週末21日(日)にバイデン大統領が次期大統領選からの撤退を発表しました。後任の候補としてハリス副大統領が確実視されています。各種調査では依然トランプ氏が優勢ですが、銃撃事件直後からはやや支持率が低下していると見られ、今週米国株が大きく下落した一因に大統領選の先行きに不透明感が増したことがあったとみられます。 また、30日(火)-31日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)と日銀政策決定会合が控える中、金融政策への不透明感が増していることも下落の背景にあるとみられます。日銀の利上げ観測もくすぶる中、為替市場は円高方向に大きく揺り戻し、一時1ドル=151円台まで円高ドル安が進行しました。 決算後、主要企業の株価は下落 19日(金)には、クラウドストライク・ホールディングのシステムアップデートの不具合によりマイクロソフト社の製品などが一時使用不可となる障害が発生しました。これを受けて情報技術セクターが下落する場面もありましたが、市場全体への影響は限定的とみられます。 より市場の注目度が高かったのは、本格化する4-6月期決算発表です。マグニフィセント7と称される銘柄の中ではテスラとアルファベットが決算を発表し、いずれも発表後に株価は下落しました。テスラでは市場予想を下回った1株当たり利益(EPS)、アルファベットではyoutube広告の不調などネガティブな点に市場は反応したとみられます。ただし冷静に業績を見れば良い点も多く、例えばアルファベットでは、グーグルのクラウド事業売上高は前年同期比で高い伸びとなり、市場予想も上回りました。短期的には利益確定売りが下落要因になっている側面もあり、中長期では決算内容を見極めて投資を考える局面と考えます。 テスラ決算概要 アルファベット決算概要 来週①:1ドル=150-155円レンジを予想 日本の米国株投資家にとっては、為替が気になる局面です。足元は、株式市場の急落が市場心理を悪化したことによる、リスク回避的な動きから円高・ドル安が進んでいると考えられます。為替にとっても、目先の焦点は世界的な株安が一巡し、市場心理が安定するかどうかです。 31日(水)日銀金融政策決定会合では国債購入ペースの減額計画に加え、追加利上げの必要性も議論される見込みです。これまでの観測報道を見ると、追加利上げ実施への機運は高まっている様子ですが、家計消費の弱さへの警戒もあると想定されます。7月に利上げが見送られた場合でも、1-2名の政策委員が利上げを支持して反対票を投じるなど、9月会合に向けた利上げ期待を維持するコミュニケーションが見られそうです。仮に利上げが決定されれば、短期的に150円を目指す円高が意識されると想定されます。31日(水)のFOMCは政策変更なしとみられ、今後の政策金利見通しが発表される会合でもないため、日銀政策決定に比べると影響は限定的と想定されますが、声明文やパウエルFRB議長の会見から、9月以降の金融政策について示唆が得られないか、確認したいと思います。 野村證券では、2024年末に1ドル=148円、2025年末に1ドル=140円と円高傾向を予想しています。 来週②:月初の主要経済指標も重要 足元ではインフレ鈍化継続と景気のソフトランディングがコンセンサスになっている中で、1日(木)ISM製造業景気指数や2日(金)雇用統計などの主要指標で景気失速やインフレ再燃の兆候が見られた場合は、株安のきっかけになり得ます。 来週③:ハイテク大手3社決算に注目 短期的にはマクロ要因が株価や為替を動かしやすい局面ですが、中長期の投資を考えるうえではピークを迎える4-6月期決算発表に注目が集まります。30日(火)にマイクロソフト、1日(木)にアップル、アマゾン・ドットコムが発表を予定しています。各社の業績に対する市場の期待は高まっており、市場期待を上回る業績改善のハードルは相当高いと言わざるを得ません。このため、仮に決算発表後に株価が下落するようなことがあっても、内容を見極め冷静に投資判断をしていく局面と考えます。 以下に前回決算の振り返りを掲載いたします。ご参考にしてください。 マイクロソフト前回決算概要 マイクロソフト の前回(1-3月期)の実績は、AI需要がけん引し各セグメントの売上高で市場予想を上回る堅調な内容でした。ただし、4-6月期の売上高見通しではクラウド以外の2部門で市場予想を下回りました。ビジネス需要やハードウェア需要を慎重に見ていたことが分かります。足元でハードウェアも緩やかながら復調傾向にあり、市場予想を上回れることができるかに注目が集まります。 アップル前回決算概要 アップルの前回(1-3月期)決算では、iPhoneが大幅減収となった一方、サービス部門の売上高は好調でした。PCやスマートフォン市場全体を見ると、力強さに欠けるものの緩やかな回復局面が継続しています。野村證券では、今後PCの買い替えサイクル入りやAI機能搭載等の需要押上げ効果が期待されると予想しており、当社についてもiPhone部門で市場予想を上回ることができるかが注目されます。 アマゾン・ドットコム前回決算概要 アマゾン・ドットコムの前回(1-3月期)決算は、北米小売・AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の主要2部門で市場予想を上回りました。 小売事業ではブランド衣料品や抗肥満薬などの医薬品といった品揃えの拡大やコスト削減が奏功しました。米景気の失速懸念はありますが、7月に行われたアマゾン・プライムデーでは前年を超える売上高があったと発表され、消費の選別投資先として当社が選ばれている可能性もあります。また、AWSはクラウド事業の売上高で世界一であり、今週発表のあったアルファベットのグーグル・クラウド(世界3位、2位はマイクロソフトのAzure)同様、市場予想を上回ることができるかが注目されます。 (編集:野村證券投資情報部 小野崎 通昭) ご投資にあたっての注意点 要約編集元アナリストレポートについて 野村オリジナル記事の配信スケジュール
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07/27 06:30
【特集】パリ五輪開幕!メダル獲得数が増えると株価も上昇する?
(注)画像はイメージ。 7月26日に「パリ2024オリンピック」が開幕し、8月11日まで開催される予定です。そこで今回、過去の五輪開催前後2週間ずつの日経平均株価のパフォーマンスを検証しました。 その結果、2つの傾向が見られました。 1点目は、大会開幕に向けては相場が軟調に推移することが多い点です。2つのチャートを見ると、いずれも中央に引かれた点線の開会式前日にかけて、株価が下落した年が多い様子がわかります。 2点目は、メダルの数によって、開催中の株価の推移の仕方に特徴がみられたことです。 1984年に開催されたロサンゼルスオリンピックから、2021年に開催された東京オリンピックまでの10回の大会を、日本が獲得した金・銀・銅メダルの獲得総数とともに検証したところ、獲得メダル数が30個以上だったのが5大会、30個未満だったのも同じく5大会ありました。 そこでメダルの数が30個以上と30個未満だった2つのケースに分けて分析しました。その結果、メダルを30個以上獲得した大会では、下図の通り、約2週間にわたる開催期間中、日経平均株価は堅調な推移をする傾向が見られました。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)1984年以降の夏季大会を対象。獲得メダル数とは、日本が獲得した金、銀、銅メダルの総数。(注2)株価は日次ベース。五輪開会式の前営業日を起点日として、前後15営業日分の推移を掲載。(出所)日本経済新聞社データ、各種資料より野村證券投資情報部作成 一方、メダル獲得数が30個に届かなかった大会では、下図の通り、期間中の日経平均株価は上値の重い展開が続いた様子がわかります。 (注1)1984年以降の夏季大会を対象。獲得メダル数とは、日本が獲得した金、銀、銅メダルの総数。(注2)株価は日次ベース。五輪開会式の前営業日を起点日として、前後15営業日分の推移を掲載。(出所)日本経済新聞社データ、各種資料より野村證券投資情報部作成 夏場の株式市場は、過去の経験則に基づくと元々軟調な地合いになりやすい傾向にありますが、オリンピックの盛り上がり具合によってはこの先日本株の買い場が訪れるかもしれません。 (野村證券投資情報部 丹羽 紘子) ご投資にあたっての注意点
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07/27 06:00
【来週の予定】7月日銀会合とFOMC開催、サプライズはあるか?
来週の注目点:日米金融政策会合と米中の重要統計 7月30日(火)~31日(水)には日本、米国で金融政策会合が開催されます。米国の金融政策は据え置きが予想されています。市場では次回9月FOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ期待が高まっていることから、利下げ開始時期やその後の利下げペースに関して、パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長から何らかのヒントが得られるかが注目点です。 日本銀行の金融政策決定会合では、展望レポートに加えて、国債買い入れ減額に関する具体的な計画が発表されます。事前に開催された「債券市場参加者会合」では減額幅や減額ペースについて参加者間の見解の相違が目立ちました。このため、日銀は予見可能性と柔軟性の両立という難しい選択を迫られそうです。同会合では円安懸念を背景に利上げ観測も根強く、日銀の判断が注目されます。 注目度の高い経済指標として米国では、7月31日(水)の4-6月期の雇用コスト指数、7月ADP全米雇用レポート、8月1日(木)の7月ISM製造業景気指数、2日(金)の7月雇用統計が挙げられます。 欧州では30日(火)にユーロ圏、ドイツの4-6月期実質GDP速報値が発表されます。今回は速報値のため需要項目は発表されませんが、ユーロ圏景気の回復ペースを確認する上で、市場の注目度は高いと見られます。 中国では31日(水)に7月政府版PMI、8月1日(木)に同じく7月財新版製造業PMIが発表されます。中国経済は不動産市況の低迷が重石となっているため、中央政府は様々な経済対策を講じていますが、5%の成長目標を達成するには未だ力不足だとみられます。 中国では例年この時期に中国共産党の現指導部と、長老や有識者の会合である「北戴河会議」が開催されます。原則として秘密会議であり、習近平1強体制の下で同会合が重要な転機になる可能性は低いと見られます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年7月26日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点