新着
914件
-
2023/12/17 13:00
【業界展望】拡大するトレーディングカード市場
トレカ市場は急拡大 トレーディングカード(以下トレカ)市場は近年急拡大している。2020年頃から多くのYouTuber がポケモンカードを中心にトレカのパック開封動画を投稿するようになったことが一因と見られる。加えて、かつて幼少期にトレカで遊んでいた世代が経済力を有する大人になり、購買単価が上昇したことも背景にあると考える。市場シェアは概ねポケモンカードが4~5割程度、遊戯王カードが2~3割程度、ワンピースカードゲーム、デュエルマスターズがそれぞれ1割程度と推察する。 トレカは価格変動が激しい トレカの二次流通価格は新パック発売やルール変更等に伴う需給動向に左右されやすい。新パック発売直後はカードの供給が少ないため価格が高騰しやすいが、数日で下落し落ち着く傾向がある。その後は新たなパック発売と共に旧パックの流通量が減少するため、徐々に価格が上昇し、販売終了後には高騰しやすくなる。23年に入ってからはポケモンカードの価格高騰が目立つが、1月にルール変更を実施しており、再販が見込まれないカードが増加したことが一因と推察する。 ルール変更の影響も大きい 遊戯王カードでは17年3月に大規模なルール変更を実施し、需要が大きく減少する局面もあった。当時のルール変更では過去のカードの使い勝手が大きく悪化し、プレイユーザーの引退や中古価格暴落に繋がった。新品・中古トレカを扱うテイツーでは関連商材の売上高が18.2期に大きく減少しており、ルール変更の影響が垣間見える。20年4月には再び遊戯王カードのルールが変更されたが、過去のカードの使い勝手が改善したことからユーザーの需要は再拡大している。なお、ポケモンカードでも23年1月にルールが変更されたが、変更が軽微であったことからユーザーに受け入れられたと考えられる。 遊戯王カードは25周年 遊戯王カードでは24年2月に25周年を迎えるにあたり、商品展開が拡大している。記念パックやフィギュア等の発売が複数予定されており、24.3期のコナミグループの売上高拡大に寄与すると野村では予想する。11月には海外で人気商品「RarityCollection」が発売され、国内でも人気の高い高単価パックの発売を24年2、3月に計2種類予定しており(例年は1種類)、ラインナップは充実している。25.3期は周年後の反動減がリスクであるが、24.3期上期決算説明会ではデジタル等の新しい展開やイベント開催等で今の流れを継続したいとのコメントがあり、更なる売上拡大に繋がるか注目したい。 (野村證券エクイティ・リサーチ部 三木 成人) ※野村週報 2023年12月11日号「産業界」より <お知らせ>「野村週報」は、2023年12月18日号(15日発行)より「週間 野村市場展望」と統合し、新たな「野村週報」としてリニューアルされます。今後ともご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。 ※掲載している画像はイメージです。 ご投資にあたっての注意点
-
2023/12/17 09:00
【市場展望】ユーロ下落リスクは低下か
ユーロ円は一時160円台に上昇 ユーロドルは11月末に一時1.10ドル台と8月以来の水準を回復、ユーロ円も10月末以降は概ね160円超の歴史的高水準での推移を続けてきた。 野村では、①世界の景気減速懸念を受けた市場心理の悪化、②ユーロ圏の景気減速による対内証券投資の減少、③原油価格上昇に起因する交易条件の悪化、の要因から、ユーロは年末にかけて対ドルで1.02ドル程度まで下落すると想定していた。10月上旬には1.05ドル割れと概ねシナリオに沿って推移してきたが、足下のユーロは想定以上の底堅さを見せていると言えよう。 最近のユーロ反発の背景には、①米金利のピークアウトを受けた独-米金利差のマイナス幅縮小や②米国経済のソフトランディング期待に起因する市場心理の改善、があろう。11月に入り公表された10月分の米雇用統計やCPI(消費者物価指数)はともに市場予想を下振れ、市場はFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ局面は終了との見方を強めた。加えて、FRBウォラー理事が11月28日にあと数カ月インフレ率が低下し続ければインフレ低下に対応した利下げを開始できると言及、市場はFRBが2024年前半にも利下げを開始するとの期待を強めている。為替市場でもドルピークアウトとの見方が広がり、米金利低下や欧米株高がユーロ高材料となっている。 加えて、③イタリア国債の格下げ・格付け見通し変更の回避、④スペインの政治リスク低下、⑤ LNG(液化天然ガス)価格の低位安定が原油価格上昇による交易条件の悪化を抑制したこと、⑥投機筋のポジション整理が進みユーロ買い・ドル売りポジションを構築しやすくなったこと、の要因もユーロ高材料となっている。ユーロ安リスクは低下していると判断されよう。 対ドルでは一段のユーロ高も 24年入り後のユーロドルは、①市場がFRBへの利下げ期待をやや高めすぎていること、②米欧の景況感の違いからFRBよりECB(欧州中央銀行)への利下げ期待が先行しやすいことなどにより、米欧金利差が上値を抑え、上昇は一服すると見込んでいる。 野村の経済見通しでは、米国は24年後半までマイナス成長を回避する一方、ユーロ圏は23年7~9月期から3四半期連続でマイナス成長に陥ると予測している。こうした米欧の景況感の差を反映し、24年初めにかけてはECB の利下げの織り込みがFRBに対するそれより先行しやすいであろう。24年前半のユーロドルは1.10ドル前後での推移が続きそうだ。 24年半ば以降は、ユーロは対ドルで再び上昇に転じ、24年末には1.14ドル程度まで達すると想定している。24年央に入ると、米国のマイナス成長入りが現実味を帯び、市場のFRBの利下げ織り込みが本格化する一方、ユーロ圏では景気が持ち直しに転じる公算が大きい。したがって、24年末にかけては、米欧の景況感が逆転し、米欧金利差に支えられる形でユーロは対ドルで堅調に推移すると考えられる。 対円でのユーロの値動きを展望すると、23年末にかけては、ユーロドルの堅調が見込まれるもと、リスク心理が改善する中でキャリー需要による円安圧力が根強いこともあり、ユーロ円は160円台後半まで上昇するリスクも否定できない。 もっとも、24年入り後のユーロ円は春頃から下落傾向が明確になり、24年末時点で154円程度まで円高が進行すると予想する。年明け以降は、米国経済および世界経済の減速感が徐々に強まっていき、市場心理の悪化がユーロ安円高圧力として作用しよう。加えて、野村では、日銀は24年4~6月期にイールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)を撤廃、7~9月期にもマイナス金利解除を決定することをメインシナリオとして想定している。ECBが利下げ開始に差し掛かるタイミングでの日銀政策正常化の進展は、日欧金利差を大きく縮小させる公算が大きく、ユーロ円の下押し材料となろう。 ユーロ円は既に08年以来の高水準まで上昇している。短期的にはユーロ円に上昇余地が残るものの、160円台での推移は定着しない見込みだ。ユーロ円については、ECBへの利下げ織り込み本格化が見込まれる24年央に向けては下値リスクを警戒すべきだろう。 (野村證券市場戦略リサーチ部 後藤 祐二朗、茂木 仁) ※野村週報 2023年12月11日号「焦点」より <お知らせ>「野村週報」は、2023年12月18日号(15日発行)より「週間 野村市場展望」と統合し、新たな「野村週報」としてリニューアルされます。今後ともご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。 ※掲載している画像はイメージです。 ご投資にあたっての注意点
-
2023/12/16 19:00
【野村の動画】2024年12月末のドル円相場は135円と予想
野村證券は、2024年に向けたドル円見通しを見直しました。2024年3月末の見通しは1ドル=142円、そして2024年12月末の見通しは1ドル=135円とします。その背景を動画で解説いたします。 ご投資にあたっての注意点
-
2023/12/16 13:00
【オピニオン】FOMCは利下げ議論を開始、NYダウ史上最高値
2023年12月12日~13日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)は政策金利であるFFレートの誘導目標を5.25~5.50%で据え置くことを決定しました。政策金利の据え置きは3会合連続となります。 声明文では、引き締めバイアスを示す「追加的な引き締めの度合いを決定するうえで」が、「追加的な引き締めの度合いを決定する場合には」へと修正され、利上げがほぼ終了との見立てを示唆しました。 FOMC後の記者会見でパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長は「追加利上げの可能性を排除したくないが、もはやFRBの基本シナリオではない」と述べました。加えて、「政策金利が引き締めサイクルのピークに達したか、その近くにあると考えている。利下げの時期が次の問題であり、それを検討し議論している」と述べ、利下げのタイミングが今後のポイントであることを示しました。 公表された経済見通しの中では、前回2023年9月時点と比較し、2023年実質GDP成長率が上方修正され、インフレ関連指標は下方修正されました。2024年以降の見通しに大きな変更は見られません。 注目の参加者メンバーの政策金利見通し、いわゆる「ドッツ」は、2024年末は前回2023年9月時点から0.5%ポイント下方修正され、24年中に0.75%ポイントの利下げが想定されています。インフレがピークアウトしたとはいえ、ターゲットである2.0%まで未だ相当な距離感があるため、前倒しで利下げを実施するとは想定し難いと言えます。四半期に1回0.25%ポイントの利下げを前提とすれば、24年前半に利下げが開始されると思われます。 FOMCを受けたFF金利先物市場では、24年6月までに0.63%ポイントの利下げを織り込んでいます(23年12月13日時点)ので、やや期待先行の印象を受けます。12月13日の米国市場ではFOMC結果発表後に米国10年国債利回りが一時、4.022%へ低下し、NYダウは史上初の37,000ドル台へ上昇しました。一方、米ドルは対円で142円台へ下落しました。 S&P500指数構成企業のEPS(1株当たり利益)は、2023年4-6月期を減益の底として、同年7-9月期以降、増益が予想されています。ここでは、米国経済は大幅に悪化することは想定されていない模様です。2023年11月のISM製造業景気指数は46.7と、拡大・縮小の分岐点となる50を13ヶ月連続で下回りました。2000年8月~2002年1月以来の最長を記録しています。ISMによれば、一般的に製造業PMIが48.7を下回ると経済全体の縮小を示すとされています。2024年の米国株式市場は、米長期金利がどこまで低下するのか、経済成長鈍化に対して、特にグロース企業の抵抗力がどの程度なのか、が焦点となりそうです。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注)FOMC(米連邦公開市場委員会)は2023年12月12-13日に開催。予想の中央値。実質GDP成長率及び2つの物価指標は各年10-12月期の前年同期比。失業率は民間部門の各年10-12月期平均の失業率。コアPCEデフレーターは価格変動の激しい食品とエネルギーを省いたもの。政策金利はFFレート(フェデラル・ファンドレート)のレンジの中央値で、各年末値。(出所)FRB(米連邦準備理事会)より野村證券投資情報部作成 ※掲載している画像はイメージです。 ご投資にあたっての注意点
-
2023/12/16 08:00
【マーケット解説動画】NYダウ、史上最高値更新(12月15日引け後収録)
テクニカル展望(12月15日引け後収録) 今週の「テクニカル展望」動画では、弊社の岩本ストラテジストが 、チャート分析の観点から、今後の展望や注目点について15分ほどで解説しています。今後の投資の参考にご覧ください。 今週の収録内容 「NYダウ、史上最高値更新」 1.1週間の振り返り2.ドル円相場:週足3.日経平均株価:日足4. NYダウ:日足・週足・月足5. 来週の注目イベント (解説)野村證券投資情報部ストラテジスト 岩本 竜太郎 ※動画の終盤に言及している、「アンケート」については、FINTOS!ではご回答いただけません。ご了承ください。 ご投資にあたっての注意点
-
2023/12/16 07:00
【来週の予定】日銀会合、政策変更に向けた地ならしがあるか
来週の注目点:日銀の政策決定会合、米消費関連統計に注目 FRB(米連邦準備理事会)は13日、大方の事前予想通り3会合連続で政策金利の据え置きを決定しました。同時に発表された政策金利見通し(中央値)では、1回あたりの変更幅を0.25%ポイントとした場合、2024年末までに3回の利下げ見通しが示されました。市場では24年末までに4~5回の利下げを織り込んでいたものの、FRBの政策姿勢が緩和方向へ転換したこと、パウエル議長からも早期利下げをけん制する発言は見受けられなかったことから、株高、金利低下、米ドル全面安となりました。 今週は18日(月)~19日(火)に日銀の金融政策決定会合が開催されます。市場では金融政策の据え置き予想が大勢を占めています。次回24年1月会合での政策修正期待が高まっていることから、フォワードガイダンス(政策運営の指針)修正の有無や植田総裁の発言が注目されます。 米国では、住宅関連統計に加えて、20日(水)に12月消費者信頼感指数(コンファレンスボード)、22日(金)に12月ミシガン大学消費者マインド(確報値)、11月個人消費支出・所得統計と、いずれも今後の消費、インフレ動向を予想するうえで注目度の高い指標が発表されます。これらの指標が消費減速やインフレ鈍化を示唆し、市場の利下げ観測を促す結果となれば、長期金利の低下、株高につながる可能性があります。 欧州では、18日(月)にドイツ経済の重要な先行指標である12月Ifo企業景況感指数が発表されます。同指数は3ヶ月連続で改善を続けており、回復基調が継続するかが注目されます。 FRB、ECB(欧州中央銀行)に続いて、日銀の決定会合をこなした週後半は、クリスマス休暇モードとなりそうです。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2023年12月15日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ※掲載している画像はイメージです。 ご投資にあたっての注意点
-
2023/12/15 19:00
【最新ランキング】日本株、今週の値上がり/値下がり銘柄は? (12月第3週)
日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(上位) 2023年12月第3週(2023年12月8日~12月14日) 2023年12月月間(2023年11月30日~12月14日) 2023年年間(2022年12月30日~2023年12月14日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2023年12月14日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(下位) 2023年12月第3週(2023年12月8日~12月14日) 2023年12月月間(2023年11月30日~12月14日) 2023年年間(2022年12月30日~2023年12月14日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2023年12月14日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 <参考>今週の日本株式市場パフォーマンス 主要指数 TOPIX︓東証33業種 (注)業種分類は東証33業種ベース。直近値は2023年12月15日前引け時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
-
2023/12/15 16:19
【イブニングFINTOS!】日経平均株価は284円高 反発するも日中の上値は重く推移(12/15)
本日の株式市場 前日の米国株式市場では、堅調な経済統計や、FOMCの結果を受けた利下げ期待を背景に主要3指数が揃って上昇したほか、半導体関連のSOX指数の上昇も目立ちました。米株高を受け、本日の日経平均株価は、前日比74円高の32,760円で取引を開始すると、その後も上昇幅を広げ、午前の取引時間中にはこの日の高値となる33,122円を付けました。セクター別では、米半導体関連の上昇が好感され、信越化学工業やアドバンテスト、東京エレクトロンなど国内半導体関連が上昇し、日経平均株価を押し上げました。 ただ、11時に発表された複数の中国主要経済統計は、強弱入り混じる結果で、中国景気への懸念を払しょくするほどには至らず、上値を抑える展開となりました。また、ドル円が一時、1米ドル=141円台半ばまで円高ドル安になったことも上昇幅を縮小させる要因となりました。午後の取引時間中には一時32,877円を付けたものの、引けにかけて再度高くなり、前日比284円の32,970円で本日の取引を終了しました。 本日発表予定の海外経済指標等 【米国】12月 NY 連銀製造業景気指数 前月:9.1 予想: 3.811月鉱工業生産 前月比 前月: 0.6% 予想: :+0.212月 S&P グローバル PMI (製造業) 前月: 49.4 予想: 49.3 (サービス業) 前月: 50.8 予想: 50.7【ドイツ】12月 HCOB ドイツ PMI (製造業) 前月: 42.6 予想: 43.2【ユーロ圏 】12月 HCOB ユーロ圏 PMI (製造業) 前月: 44.2 予想: 44.6 (サービス業) 前月: 48.7 予想: 49.0 (注)経済指標などの市場予想はブルームバーグによる市場コンセンサス予想。時間は日本時間。(出所)東京証券取引所等より野村證券投資情報部作成 ※掲載している画像はイメージです。 ご投資にあたっての注意点
-
2023/12/15 12:00
【今週のチャート分析】日経平均は12月に入り不安定な動き、75日線が下支えなるか(12/15)
※2023年12月14日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 上値は25日線、下値は75日線に注目 今週の日経平均株価は、米国株が堅調に推移したものの、円高進行が逆風となり、上値の重い展開となりました。 日経平均株価のこれまでの動きを振り返ってみましょう。日経平均株価は、11月20日高値形成後に調整となり、12月8日にこれまで何度かフシとして機能してきた75日移動平均線(14日:32,418円)の水準まで下落しました(図1)。その後は反発に転じましたが、25日線(同:33,112円)に上値を抑えられており、同線を回復できるか注目されます。 回復となれば、11月20日高値(33,853円)超えが視野に入り、6月以降の保ち合い上放れへ向けた動きとなることが期待されます。一方で上値が重く再び調整となった場合は、8日に下支えとなった75日移動平均線(14日:32,418円)の水準を維持できるか注目されます。 仮に同線を下放れた場合は、11月1日~2日のマド埋め(31,601円)や、200日線(同:31,221円)の水準が下値のメドとして挙げられます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2023年12月14日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 次に中長期的な動きを確認すると、初夏に33,000円台後半で上値を抑えられた後は、大きな上昇局面内の一旦の調整である「中段保ち合い」に移行したと考えられます(図2)。これまでの調整を経て、下落率や調整期間の点で2020年6月~10月末の中段保ち合い時と比較して、既に調整十分となっていると捉えられます。 12月に入り不安定な展開となっていますが、目先の調整一巡後は、再度中段保ち合いの上限突破を目指す動きとなることが期待されます。 (注1)直近値は2023年12月14日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 年末特集:ドル円相場 2024年の見通し 2023年のドル円相場は、米10年債利回りが10月に約16年ぶりとなる5%台まで上昇し、日米金利差が再び拡大する中で、概ね円安・ドル高方向への動きとなりました。ドルは対円で、2023年1月に一時127.22円をつけた後は上昇傾向となり、2023年10月には2022年につけた150円台に回帰しました。 ただ、12月に入り一時140円台前半まで下落するなど不安定な動きとなり年末を迎えています(図3)。 (注1)直近値は2023年12月13日。 数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本銀行、各種資料より野村證券投資情報部作成 2024年は、円高・ドル安トレンド入りの可能性に留意が必要だと考えられます。ドルは対円で1975年高値から約8年のサイクルで高値をつけています(図4)。2023年12月時点で2015年6月につけた前回のサイクル高値から既に8年半が経過しており、既に8年サイクル高値をつけたか、近い将来につける可能性が高いと考えられます。 (注1)直近値は2023年12月13日。 数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端含み。(出所)日本銀行、日本相互証券、FRB、Wall Street Journalより野村證券投資情報部作成 12月に入り、前回の中長期上昇局面(21/1安値~22/10高値)で下支えとなってきた26週移動平均線(13日:146.31円)を割り込み、不安定な動きとなっています。年末にかけて26週線割れが定着した場合、2023年11月高値(151.80円)で天井を形成した可能性が高まったと捉えられます(図3)。 過去の動きをみると8年サイクル高値形成後は、年単位の下落トレンドがみられています。そのような動きとなった場合、まずは2023年1月安値(127.22円)や、2022年1月安値~2023年11月高値上昇幅の50%押し(127.20円)の水準が下値メドとして挙げられます(図4)。 (投資情報部 岩本 竜太郎) ※画像はイメージです。 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点