決算概要

EPS実績は市場予想を上回った

米国時間7月19日引け後に、EVの製造販売や太陽光発電事業を行うテスラ(TSLA US)が2023年4-6月期(2023.12期第2四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を1.8%上回り、EPSは市場予想を10.6%上回りました。

会社は、2023.12月期通期の生産台数は、前年比+50%成長の会社目標を上回るペースであることをコメントしました。

自動運転技術を他社へ提供へ

決算説明会でイーロン・マスクCEOは、運転支援技術「FSD(フル・セルフ・ドライビング)」を他社に低価格でライセンス提供する方針を発表しました。また、FSDの基盤となるAIスーパーコンピューターについて、従来の自社開発の「Dojo」のみから、エヌビディアの製品も使用する方針に転換したとコメントしました。

売上高とEPSの推移

株価は下落

テスラの株価は、前日比0.71%安で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比4.11%安の279.28ドルで推移しています(NY時間18:58)。7月2日の4-6月期の生産台数発表翌日に株価は6.9%上昇するなど好材料が既にある程度織り込まれていたことや、基幹技術の一つであるFSDの他社への低価格での提供が当社の将来の競争優位性に不透明感を与えたことが下落の理由と推察されます。

株価推移 (6ヶ月日足)

(注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年7月19日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年4-6月期(2023/6)。灰色はリフィニティブ集計による市場予想平均。2023年7-9月期以降の予想は2023年7月18日時点。
(出所)会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成

(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)

<前回の当社決算>
【米国株決算速報】テスラ(TSLA):値下げによる悪影響で調整後EPS下落、株価は-4.23%

<過去の米国株決算まとめ>
野村の米国株決算リンク集:2023年1-3月期・4-6月期決算

野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算

野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期

ご投資にあたっての注意点