決算概要

売上高見通しは市場予想を上回る

米国時間7月19日寄り前に、リソグラフィー(半導体の回路パターンを基盤に焼き付ける装置)などの半導体製造装置の製造を行う蘭ASML(ASML NA/ASML US)が2023年4-6月期(2023.12期第2四半期)決算を発表しました。売上高は69億ユーロと市場予想を2.6%上回りました。(希薄化後)EPSは4.93ユーロで市場予想を6.4%上回りました。会社の2023年7-9月期売上高見通しは市場予想を上回りました。

2023年12月期通期については、売上高見通しを従来の前年度比+25%から+30%に引き上げました。

EUV売上高見通しを引き下げ

会社は、米国による中国への輸出規制により、4-6月期に先端製品のEUV(極端紫外線露光装置)の売上高が減少した一方、旧式のDUV(深紫外線露光装置)の売上高が増加したことを報告し、2023.12期通期についてEUVの売上高成長率見通しを従来の前年比+40%から同+25%に引き下げた一方、同じくDUVについては同+30%から同+50%引き上げ、これは粗利率にプラスに寄与するとコメントしました。

売上高とEPSの推移

株価は下落

株価は、前日比5.45%安で引けました中国への輸出規制は売上高減少につながらなかったものの成長分野のEUVの出荷が後ずれすることから、一部の市場関係者の高い期待に届かなかったためと考えられます。

株価推移 (6ヶ月日足)

(注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:米国上場のADR価格(ドル建て)。データは日次で、直近値は2023年7月19日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年4-6月期(2023/6)。2023年7-9月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はリフィニティブ集計による市場予想平均。2023年7-9月期以降の予想は2023年7月18日時点。
(出所)会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成

(文責:野村證券 投資情報部・岩崎 晴弥)

<前回の当社決算>
【米国株決算速報】ASML:半導体市況の悪影響を受け受注軟調、株価は-3.07%

<過去の米国株決算まとめ>
野村の米国株決算リンク集:2023年1-3月期・4-6月期決算

野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算

野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期

ご投資にあたっての注意点