決算概要
EPS実績は市場予想を上回った
米国時間4月19日寄り前に、リソグラフィー(半導体の回路パターンを基盤に焼き付ける装置)などの半導体製造装置の製造を行う蘭ASML(ASML US)が2023年1-3月期決算を発表しました。売上高は市場予想を6.8%上回り、EPSは市場予想を19.8%上回りました。
また、2023年4-6月期の売上高見通しの中間値は市場予想を5.3%上回りました。
受注軟調も生産はフル稼働
2023年1-3月期の受注額は、前期や前年同期と比較して低調でした。会社は、受注の軟調は予想されたもので、特にメモリー半導体市況の悪化で受注が後ずれしたことをコメントしました。
中国の売上高は低調だったものの、残りの4-12月期に急回復すると会社は見込んでいます。
会社は、まだ需要が供給を上回る状況で、システム販売額の約2年分にあたる受注残があることから、システム生産を最大化させることに注力するとコメントしました。
売上高とEPSの推移
株価は下落
ASMLの株価(米国上場のADR価格)は、前日比3.07%安で引けました。
市場は受注が軟調だったことに反応したと考えられます。一方で、会社が見込む市況の回復や、財政支援を受けた先端半導体工場の新設での需要などにより、市場予想を上回る会社見通しの数字が達成されるかを今後確認する必要があると考えます。
株価推移 (6ヶ月日足)
(注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:米国上場のADR価格(ドル建て)。データは日次で、直近値は2023年4月19日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年1-3月期(2023/3)。売上高の2023年4-6月期の白丸は会社見通し中間値。灰色はリフィニティブ集計による市場予想平均。2023年4-6月期以降の予想は2023年4月18日時点。
(出所)会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)