決算概要
EPS実績は市場予想を上回った
米国時間7月28日寄り前に、石油メジャーの一角で、総合エネルギー・化学品事業を行うシェブロン(CVX US)が2023年4-6月期(2023.12期第2四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を4.2%上回り、EPSは市場予想を3.6%上回りました。当社は7月23日にCEOの定年退職を含めたマネジメントの変更に合わせて暫定決算を発表していました。
株主還元を強化
会社は、パーミアン盆地(テキサス州からニューメキシコ州にかけてのシェールオイル・ガス田)での生産量が拡大していることや、コロラド州などでシェールオイル・ガスの調査・開発を行うPDCエナジーの買収などの米国での投資拡大計画が株主価値向上につながるとコメントしました。また、配当・自社株買いを合わせた株主還元の金額が72億ドルと、4-6月四半期として過去最高になったことを強調しました。
新CFOが脱炭素化事業出身であることについて会社は、大きな方針転換はなく、財政支援などを活用して、再生可能ディーゼル燃料や低炭素水素の生産を拡大させる方針を示しました。
売上高とEPSの推移
株価は暫定決算発表時に上昇
シェブロンの株価は28日、前日比0.49%安で引けました。但し、株価は暫定決算発表の翌営業日の24日に前日比1.97%上昇しました。市場予想を上回る売上高やEPS実績に反応したと考えます。
株価推移 (6ヶ月日足)
(注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年7月28日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年4-6月期(2023/6)。灰色はリフィニティブ集計による市場予想平均。2023年7-9月期以降の予想は2023年7月21日時点。
(出所)会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)