決算概要:2023年7-9月期(2023.12期第3四半期)
EPS実績は市場予想を上回った
米国時間10月18日寄り前に、リソグラフィー(半導体の回路パターンを基盤に焼き付ける装置)などの半導体製造装置の製造を行う蘭ASML(ASML US)が2023年7-9月期(2023.12期第3四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を0.6%下回り、EPSは市場予想を4.8%上回りました。
会社の2023年10-12月期売上高見通しは市場予想を上回りました。
受注急減、半導体市況好転は2025年
純受注額は26.02億ユーロと、2023年4-6月期の45.00億ユーロや、前年同期の89.20億ユーロから急減しました。
会社は、顧客である半導体メーカーは年内(2023年10-12月期)に半導体市況が底打ちすると予想している、とコメントしました。一方で、保守的な見方としながらも、当社の2024年12月期通期の売上高は2023年12月期通期に近い水準で、大幅な成長は2025年12月期通期とコメントし、半導体市況の回復に時間がかかることを示唆しました。
売上高とEPSの推移
株価は下落
ASMLの株価(米国上場のドル建てADR価格)は、前日比4.17%安で引けました。
低調な受注額と、半導体市況の回復が後ずれするとの見通しに反応したと推察されます。
株価推移 (6ヶ月日足)
(注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:米国上場のADR価格(ドル建て)。データは日次で、直近値は2023年10月18日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年7-9月期(2023/9)。2023年10-12月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はLSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均。2023年10-12月期以降の予想は2023年10月17日時点。
(出所)会社発表、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)