決算概要
EPS実績は市場予想を上回った
米国時間11月2日引け後に、モバイル端末の製造販売とクラウドサービス事業を行うアップル(AAPL US)が2023年7-9月期(2023.9期第4四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を0.2%上回り、EPSは市場予想を4.9%上回りました。サブスクリプションが増加したサービスなどが堅調でした。
中国でのiPhone販売は堅調、見通しは比較対象期間と新製品のタイミングが重石
中国が9月に政府機関職員の外国製通信端末の使用を禁じたことから当社への影響が市場では懸念されていましたが、中国本土でのiPhone販売実績は7-9月期として過去最高となり、また、新店舗をオープンさせるなど引き続き中国事業を重要視するとともに、見通しに楽観的と会社はコメントしました。
2023年10-12月期売上高見通しについて会社は、前年同期と同水準なものの、対象期間が13週間と昨年より1週間(売上高で約7%分)短いため、同じ日数換算ではプラス成長であると説明しました。一方で、iPadとウェアラブルは前年同期に新製品の販売が好調だったことから、前年同期比での成長率が7-9月期より低下し、iPhone15 Pro/Pro Maxの供給制約が12月まで残ることを反映しているとコメントしました。
売上高とEPSの推移
株価は小幅安
アップルの株価は、翌3日の取引で前日比0.52%安となりました。株価は、決算発表直後の2日の時間外取引では売上高見通しが市場予想を下回ったことなどで一時3%を超えて下落しましたが、内容が再評価されたことで翌日に小幅安まで回復したと考えられます。
株価推移 (6ヶ月日足)
(注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年11月3日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年7-9月期(2023/9)。2023年10-12月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はLSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均。2023年10-12月期以降の予想は2023年11月1日時点。
(出所)会社発表、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)