海外市場の振り返り

3日の米国株式市場で、主要3指数は下落しました。朝方にリッチモンド連銀のバーキン総裁が、「ソフトランディングの可能性が高くなっている」と述べましたが、追加の利上げの可能性も排除しないとし、3月利下げ観測については「ほど遠い」と否定的な見方を示しました。これを受けて米10年国債利回りが上昇する中で、NY主要株価指数は下落して寄り付きました。現地時間10:00に発表された12月ISM製造業景気指数は47.4と市場予想の47.1を上回りましたが、好不況の分かれ目となる50を引き続き下回りました。14:00に公表された12月FOMC議事要旨では、全ての参加者が2024年内の利下げシナリオを示した経済見通しを「極めて不確実」と強調したうえで、経済状況によっては追加利上げもあり得ると指摘し、数人は「政策金利を据え置く期間は今の想定より長くなるかもしれない」とも述べていたことが明らかになりました。これを受け、株式市場ではFRBによる早期利下げ観測が後退し、主要3指数とも下げ幅を拡大させました。

相場の注目点

2024年も市場参加者の最大の関心は、主要国の金融政策に集まりそうです。米国、ユーロ圏では金融引き締めから金融緩和への転換が予想され、利下げ開始時期、利下げペース、政策金利の着地点が注目されます。一方で、日本に関しては金融政策の正常化が予想され、マイナス金利の解除とYCC(長短金利操作)政策の撤廃時期、その後の利上げの有無が注目点と予想されます。

(投資情報部 寺田 絢子)

(注)データは日本時間2024年1月4日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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