決算概要:2023年10-12月期(2024.6期第2四半期)
EPS実績は市場予想を上回った
米国時間1月30日引け後に、「Office」や「ウインドウズ」、クラウドソフトの「Azure(アジュール)」などで知られるソフトウェア企業であるマイクロソフト(MSFT US)が2023年10-12月期(2024.6期第2四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を1.5%上回り、EPSは市場予想を5.3%上回りました。
会社の2024年1-3月期売上高見通しは、ビジネスソフト部門やPC・ゲーム部門が市場予想を下回った一方、クラウド部門は市場予想を上回りました。
生成AI利用の主導が業績に好影響
サティア・ナデラ会長兼CEOは「当社はAIについて語る段階から、AIを大規模に適用する段階に移行しました。当社のテクノロジーのあらゆる分野にAIを導入することで、新たな顧客を獲得し、あらゆる分野で新たなメリットと生産性の向上を促進しています」とコメントしました。「ChatGPT」で知られるOpenAIとの提携を強化し、オフィスソフトなどに生成AI機能を追加する「コパイロット」を実用化するなど当社が主導してきた生成AI利用の拡大が、市場予想を上回るクラウド部門の実績や見通しに反映されたと考えられます。
売上高とEPSの推移
株価は時間外取引で終値近辺で推移
マイクロソフトの株価は、前日比0.28%安で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では一旦下落後反発し、終値比0.19%高の409.35ドルで推移しています(NY時間18:05)。市場予想を上回るクラウド部門の売上高見通しに反応したと考えられます。
株価推移 (6ヶ月日足)
(注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。2023年10-12月期の実績は、2023年10月13日に買収したアクティビジョン・ブリザードを含む(PC・ゲーム部門)。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2024年1月30日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年10-12月期(2023/12)。2024年1-3月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はLSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均。2024年1-3月期以降の予想は2024年1月29日時点。2022年10-12月期以前のEPSの実績・予想は非米国会計基準。
(出所)会社発表、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)