海外市場の振り返り

31日の米国株式市場で、S&P500とナスダックは前日終値比下落して始まり、NYダウは上昇して取引を開始しました。14:00にFOMCの結果が発表されるとS&P500とナスダックは下落幅を拡大し、NYダウは下落して前日終値を一時下回りました。FOMC声明文で追加利上げの可能性を示唆する文言を削除した一方、必ずしも直ちに利下げが必要ではないとの認識も示したことで早期利下げへの期待が後退し、主要3指数は下げ幅を拡大し、この日の安値圏で取引を終えました。

相場の注目点

米国時間14:30(日本時間午前4:30)からパウエルFRB議長の会見が行われました。政策金利(フェデラルファンド金利誘導目標)は大方の市場予想通り、従来の5.25-5.50%(中央値5.375%)に据え置かれました。利上げの見送りは4会合連続です。FRBのバランスシートの縮小については、従来方針から変更はありません。FOMC声明文では、「インフレ率を2%に戻すために適切とみられるあらゆる追加的な金融政策の引き締めの程度を決めるに当たり」という利上げの可能性を示唆する文言を削除し、代わりに「フェデラルファンド金利の目標誘導レンジのあらゆる調整を検討するに当たり」とする文言を掲載し、利下げの可能性についてより踏み込んだ表現を用いました。一方で、「インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信が深まるまでは、目標レンジの引き下げが適切になるとはみていない」とも記述し、FRBが利下げを急いでいないことを示しました。次回の3月FOMCは、今後の政策金利見通しやFRBの経済予測が公表される会合です。3月FOMCでは、政策金利の操作に加え、今後の政策金利見通しが注目されます。

(投資情報部 寺田 絢子)

(注)データは日本時間2024年2月1日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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