決算概要:2023年11月-2024年1月期(2024.1期第4四半期)

EPS実績は市場予想を上回った

米国時間2月20日寄り前に、店舗小売、Eコマース事業を運営するウォルマート(WMT US)が2023年11月-2024年1月期(2024.1期第4四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を1.6%上回り、EPSは市場予想を9.4%上回りました。

小売シェア増加、買収でデジタル事業強化

主力の米国小売事業について会社は、高所得層を中心に顧客シェアを増加させたと報告しました。既存店売上高が前年同期比+4.0%で、ガソリン販売を除いた内訳は決済数が+4.3%、平均単価が-0.3%と、顧客数の増加が成長要因でした。また、米国のEコマースの売上高は前年同期比+17%と、店舗受け取りサービスの利用や、プラットフォームを利用する販売会社数、メディア事業の「ウォルマート・コネクト」の広告収入の増加がプラスに寄与しました。

当社は、TVメーカーのビジオ・ホールディングスを約23億ドルで買収することで合意したと発表しました。会社はビジオのメディア配信システムや広告事業を獲得することで、「ウォルマート・コネクト」を強化します。これにより競合であるアマゾン・ドットコム(AMZN US)のビジネスモデルに一歩近づくと推察されます。

売上高とEPSの推移

株価は上昇

ウォルマートの株価は、前日比3.23%高で引けました。EPS見通しは市場予想をやや下回ったものの、市場予想を上回る実績や、ビジオの買収が好感されたためと考えられます。

株価推移 (6ヶ月日足)

(注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。当社は2024年2月22日付で1:3株式分割を予定しているが、株価とEPSは株式分割考慮前。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2024年2月20日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年11月-2024年1月期(2024/1)。2024年2-4月期のEPSの白丸は会社見通し中間値。灰色はLSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均。2024年2-4月期以降の予想は2024年2月19日時点。
(出所)会社発表、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成

(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)

<前回の当社決算おさらい>
【米国株決算速報】ウォルマート(WMT):年末商戦見通しが低調・食料品価格は下落へ、株価は-8.09%

<過去の米国株決算まとめ>
野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算

野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期

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