海外市場の振り返り

28日の米国市場では、米国債が買われ利回り曲線全域にわたって金利が低下するなか、ドルは主要通貨に対して上昇、米国株はVIX指数の上昇を伴いながら主要3指数が揃って下落しました。株安・債券高・ドル高の組み合わせは、リスク回避が選好される際の典型的パターンですが、市場のリスクセンチメントを悪化させるような材料は特段見当たらないことから、月末のポジション調整に加えて、来週末にかけて重要イベントが多数控える中で、市場がやや慎重になっていることを示唆する動きと捉えられます。また、米国の金融政策を巡っては、ウィリアムズ・NY連銀総裁は24年中3回の利下げが合理的と発言したものの、決定はデータ次第と利下げ開始時期に関しては慎重な姿勢を示しました。ボスティック・アトランタ連銀総裁、コリンズ・ボストン連銀総裁も利下げ開始時期やペースについての慎重姿勢を示しました。

相場の注目点

米国では本日のPCE(個人消費支出)デフレーターを皮切りに、来週末の雇用統計まで、月末月初の重要統計の発表が控えています。金融政策面では、来週はパウエル議長の議会証言、ベージュブック(地区連銀経済報告)の発表が予定されています。FRB(米連邦準備理事会)は3月19-20日のFOMC(米連邦公開市場委員会)を控え、3月9日から金融政策に関する公式コメントを控えるブラックアウト期間に入ります。このため、市場では金融政策の手がかりや3月FOMCで発表される経済・政策金利見通しへのヒントを求めて、パウエル議長をはじめ、FRB高官の発言に注目が集まりそうです。政治面では3月5日に大統領選挙前半戦における最大の山場であるスーパーチューズデーを迎えます。共和党の大統領候補を選出する予備選挙・党員集会ではトランプ前大統領が連勝を続けており、3月5日にも大勢が決まる可能性が高まっています。

(投資情報部 尾畑 秀一)

(注)データは日本時間2024年2月29日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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