投開票日から年末にかけて株価上昇ケースが多い

参議院選挙は7月10日に決定

 参議院選挙の投開票日が7月10日に決定しました。岸田首相は参議院での与党過半数維持(125議席、非改選69議席含む)を勝敗ラインに掲げています。岸田首相が衆議院を解散しなければ、2025年11月まで総選挙はなく、今回の選挙で過半数を維持すれば、岸田政権は長期安定政権になると見込まれます。

投票日までの株価への影響は限定的

 過去の参議院選挙と株式相場動向をみると、投開票までの日経平均株価の騰落率に特徴的な傾向はみられません。参議院選挙は衆議院選挙と異なり政権選択選挙ではない点や、参議院に解散はなく選挙の大まかな日程が事前に想定できる点などが影響を及ぼしているのかもしれません。

年末にかけては上昇するケースが多い

 一方、投開票日から年末にかけては、株価は上昇するケースが多かったといえます。日経平均株価でみて、戦後24回の参院選のうち、投開票日から年末にかけて株価が上昇したのが18回、下落は6回にとどまっています。株価の平均騰落率は+6.3%となっています(下図)。前回2019年の参議院選挙では、選挙後に米中通商問題激化を受けて一旦下落しましたが、12月には米中通商協議が第一段階合意に達し不透明感が後退したことで、株価は投開票日から年末までに約10%上昇しました。

参議院選挙と日経平均株価の動向(戦後東証再開以降):表

※2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。

(注1)該当日が休祭日の場合は前営業日の株価。
(注2)※・・・投票日当時は伊東正義内閣官房長官が内閣総理大臣臨時代理を務める。鈴木善幸氏は1980年7月17日より就任。
(注3)○印・・・衆参同日選挙。△印・・・衆参同時選挙(投票日が5日違い)。
(出所)日本経済新聞社、その他データより野村證券投資情報部作成

参議院選挙と日経平均株価の動向(戦後東証再開以降):チャート

※2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。

(注1)直近値は2022年5月末。下落率は直前の高値からの下落率。
(注2)点線は参議院選挙の実施時。()内数字は前ページ表のNo.と対応。
(注3)○印・・・衆参同日選挙。△印・・・投票日が5日違いで行われた衆参同時選挙。
(出所)日本経済新聞社、その他データより野村證券投資情報部作成

(野村證券投資情報部 山内 正一郎)

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