来週の注目点:主要国の景況感、日欧の金融政策に注目

 米国の金融引き締め継続観測を背景に、米国10年国債利回りは4%を上回る水準で推移しています。政府・日銀による為替介入への警戒感が根強い中にあっても、日米金利差拡大が材料視される局面では円安・ドル高が進みやすく、ドル円は150円台前半へ上昇しました。株式市場では、米国債利回りの上昇や景気減速懸念が引き続き重石となる一方、米企業の好決算が株価を押し上げる場面も見られます。今後、株価の底打ち時期を見極める上で、企業業績の見通しに加え、24日(月)に発表される米国、ドイツ、ユーロ圏の10月S&PグローバルPMI速報値および日本の10月auじぶん銀行PMI速報値で、主要国の景況感の方向性を探ることも重要となります。

 米国では、25日(火)にコンファレンスボードの10月消費者信頼感指数、26日(水)に9月新築住宅販売件数、27日(木)に7-9月期実質GDP速報値、9月耐久財受注、28日(金)に7-9月期雇用コスト指数、9月個人消費支出・所得統計が発表されます。野村證券では、供給制約の緩和から7-9月期は一時的にプラス成長となるものの、10-12月期には再びマイナス成長となり、米景気は後退局面入りすると予想しています。

 ドイツでは、25日(火)に10月Ifo企業景況感指数、28日(金)に7-9月期実質GDP速報値が発表されます。エネルギー不足に伴う景気下振れが懸念されます。27日(木)のECB金融政策理事会では、大幅利上げ継続が見込まれており、ラガルドECB総裁の記者会見では、エネルギー価格高騰に伴う物価高への対処方法や景気見通しに関心が集まります。

 日本では、27-28日(金)の日銀金融政策決定会合で政策変更は見込まれませんが、28日公表の「経済・物価情勢の展望」において、景気が回復に向かい、物価が沈静化するとの見通しが維持されるか、また、黒田日銀総裁の定例記者会見で、急速な円安進行について言及がなされるかも注目されます。

(投資情報部 野手 朋香)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2022年10月21日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら

業種分類、Nomura21 Globalについて

ご投資にあたっての注意点