決算概要

EPS実績は市場予想を上回った
米国時間7月25日引け後に、決済テクノロジー企業であるビザ(V US)が2023年4-6月期(2023.9期第3四半期)決算を発表しました。営業収益は市場予想を0.7%上回り、EPSは市場予想を2.1%上回りました。会社の2023年7-9月期営業収益見通しは市場予想をやや下回りました。
消費は堅調、中国旅行者数は回復初期
会社は、消費者の支出は依然として堅調で、カードでの決済額・決済数ともに成長が継続しているとコメントしました。海外取引手数料については、アフターコロナと夏のバカンスによる旅行の増加が追い風となった一方、中国本土への旅行者数はコロナ前の水準を未だ大きく下回っていることをコメントしました。
売上高とEPSの推移


株価はほぼ変わらず
ビザの株価は、前日比0.85%安で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比0.25%安の238.10ドルで推移しています(NY時間19:06)。
営業収益とEPSの実績が市場予想上回ったことで物価上昇による消費の減速の懸念が和らいだ一方、中国への旅行者数の回復ペースなどへの不透明感がやや重石となったと考えられます。
株価推移 (6ヶ月日足)

(注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年7月25日時点。
(注3)営業収益とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年4-6月期(2023/6)。営業収益の2023年7-9月期の白丸は会社見通し中間値。灰色はリフィニティブ集計による市場予想平均。2023年7-9月期以降の予想は2023年7月24日時点。
(出所)会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)