マイナス金利解除のヒントがどの程度提供されるかが焦点

12月18-19日にかけての日本銀行の金融政策決定会合では、政策変更なしが有力視されています。注目されるのは、2024年1月の会合に向けて、マイナス金利解除についてどの程度のヒントが提供されるかという点です。12月14日時点では、金利先物市場は1月会合までのマイナス金利解除を約40%程度、織り込んでいます。

仮に、今回の会合でヒントが提供される場合、円金利は上昇し、円高・株安に動くことが予想され、一方で銀行株は逆行高となるでしょう。野村證券のエコノミストは、追加金融緩和を示唆した現行のフォワードガイダンス(先行き指針)が撤廃される可能性など、ヒントの提供を予想しています。

野村は2024年1月のマイナス金利解除を予想

野村證券では2023年12月8日に、日銀の政策見通しを変更しました。2024年1月にマイナス金利が解除され、同年4月にはYCC(イールドカーブ・コントロール、長短金利操作)が撤廃されると考えています。つまり、マイナス金利の解除がYCCの撤廃に先行すると予想しています。

一方、日本株の見通しについては変更せず、2024年12月末に日経平均株価が38,000円になると予想しています。理由としては、(1)マイナス金利の解除による影響は、翌日物金利を0.1%上昇させる程度である、(2)市場は既に10月までの0.25%への再利上げを完全に織り込んでいる、(3)インフレ期待は1.3%と十分な高さにあり、実質政策金利は1%前後の大幅なマイナスが続く、(4)日本の金融政策正常化はデフレ脱却成功のシグナリング効果を持つ、(5)ETF(上場投資信託)の購入は当面続けられると予想される、などが挙げられます。

(野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)

要約編集元アナリストレポート

日本株ストラテジー – 注目点とトピック(2023年12月14日配信)」(プレミアムプラン限定)

日銀マイナス金利の1月解除と日本株 – 日銀がベストのタイミングで動けることが重要(2023年12月11日配信)」(プレミアムプラン限定)

(注)各種見通しは2023年12月18日時点。画像はイメージ。
(出所)野村證券市場戦略リサーチ部より野村證券投資情報部作成

要約編集元アナリストレポートについて

ご投資にあたっての注意点