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【テーマ銘柄】更なる進化と市場の拡大が期待されるサイバーセキュリティー関連

※画像はイメージです。 増加を続けるサイバー攻撃 台湾海峡を巡る米中の緊張激化など地政学リスクの高まりや、社会のデジタル化が加速する中、軍事機密情報や国家インフラ、企業へのサイバー攻撃が増加しています。サイバー攻撃は近年高度化が著しく、検知や識別が困難になっています。更に、最新技術、個人情報などが狙われ、被害も深刻さを増しています。 多層防御を目指すセキュリティー対策「ゼロトラスト」 こうした脅威への対策として、内部と外部を区別することなく、組織内部の情報やシステムにアクセスするもの全てを検証することで、その都度、利用の可否を判断する「ゼロトラスト」という考え方が主流となっています。ゼロトラストは、信頼できるユーザーのみにアプリなどの通信を許可するIAMや、外部から侵入された端末を検知して切り離すEDR、端末の通信履歴を収集・分析するSIEMといった、各種セキュリティー製品やサービスを組み合わせて構築されています。 (注)全てを網羅しているわけではない。(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成 ゼロトラストの実現において重要な役割を果たす「XDR」 こうした中、近年導入が進んでいるのがEDRを高度化したXDRです。XDRは、Extended Detection and Responseの略称です。XDRは、サイバー脅威を検知するEDRの機能に加え、攻撃を可視化するなどして根本原因を特定して、自動で対処することができるサイバーセキュリティーソリューションです。更にエンドポイントに限らず、メールやサーバー、クラウド、ネットワークなど、より広範囲の脅威を検知することができる点も特長です。XDRにより、対処すべき脅威の優先順位の判断にかかる時間を短縮することができます。結果的にセキュリティー担当者の負担を軽減しつつ、セキュリティー対策をより効率的に実施することができます。サイバー攻撃の手法は年々多様化しており、セキュリティー対策の更なる進化と市場の拡大が期待されます。 (注)図はイメージ図。(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成 ご参考:サイバーセキュリティー関連銘柄の一例 トレンドマイクロ(4704)企業向けエンドポイントセキュリティー製品において、14年連続で国内市場シェア首位である。シスコシステムズ(A0130/CSCO US)ネットワークソリューション分野におけるハードウエア機器で世界最大手であり、ソフトウエアでも大手の一角を占める。ファイアウォールなどのセキュリティソフトウエアのほか、「Webex」などのコラボレーションソリューションやオブザーバビリティー(可観測性)ツールなども手掛ける。世界的に製品の販売を行っており、従業員数は80,000人に上る。アカマイ・テクノロジーズ(A0996/AKAM US)コンテンツ配信ネットワーク(CDN)サービスの大手企業である。応用数学とアルゴリズムをベースにネット環境を常時監視し、トラフィックやセキュリティーに関するネットワーク障害の調整作業をリアルタイムで行う。法人や政府機関が主要顧客である。チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(A1181/CHKP US)専用機器とソフトウエアを組み合わせたサイバーセキュリティーソリューションを手がけている。ネットワークからクラウド、エンドポイント、モバイル、IoTまでITインフラ全体を保護する。フォーティネット(A5826/FTNT US)プラットフォームベースのサイバーセキュリティーソリューションを手掛けている。製品には、ネットワークセキュリティー、クラウドセキュリティー、ゼロトラストアクセス、セキュリティーオペレーションがある。世界で70万社超の顧客を持つ。パロアルト・ネットワークス(A6193/PANW US)ネットワークをサイバー攻撃から保護するセキュリティープラットフォームを手掛けている。主要製品には、予防・検出・自動化・応答機能を備えたAIベースのセキュリティー運用向け製品「Cortex XDR」などがある。オクタ(A7023/OKTA US)クラウドベースで、ID管理・統合認証サービスを提供している。ユーザーが一度の認証を受けるだけで、管理者に認可されたさまざまなクラウドサービスをログイン操作なしで利用できるようにするシングルサインオンなどを提供している。ゼットスケーラー(A7171/ZS US)SaaS(Software as a Service)ベースのセキュリティープラットフォームを手掛ける。ユーザー側の各種デバイスからアプリケーションやクラウド・サービスにアクセスする際のクラウド・セキュリティーに対応している。クラウドストライク・ホールディングス(A7369/CRWD US)クラウドベースでエンドポイント保護ソリューションを提供する。サイバー攻撃が高度化し「侵入前に検知してブロックする」だけでなく「侵入後の迅速な検知と対処」も求められる中、AIを搭載したプラットフォームを通じ、未知のマルウエアやサイバー攻撃をリアルタイムに検知し、さまざまなエンドポイントで実行されているワークロードを保護している。 (注1)全てを網羅しているわけではない。(注2)外国株式のコードは、野村コード/ブルームバーグコード。(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 寺田 絢子) ご投資にあたっての注意点

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