決算概要:2023年10-12月期(2023.12期第4四半期)

EPS実績は特殊要因により市場予想を下回った
米国時間1月12日寄り前に、金融持株会社であるJPモルガン・チェース(JPM US)が2023年10-12月期(2023.12期第4四半期)決算を発表しました。純収益は市場予想を0.4%上回り、EPSは市場予想を8.5%下回りました。ただし、EPSは預金保険の追加拠出や投資損失などの特殊要因を除けば市場予想を19.5%上回りました。
実績堅調もクレジットカード事業中心に貸倒引当金積み増し
会社は2023年10-12月期の実績について、クレジットカード事業の金利収入や、引受手数料、運用手数料の増加などが堅調だったとコメントしました。
一方で、クレジットカード事業を中心に貸倒引当金を積み増しました。また、会社が示した2024年12月期通期のクレジットカード事業の貸倒率見通しの上限は3.5%と、2023年10-12月期の2.79%やコロナ禍以前の2019年12月期通期の3.10%を上回りました。
純利益とEPSの推移


株価は下落
JPモルガン・チェースの株価は、前日比0.73%安で引けました。1月12日ザラ場で株価が史上最高値を更新するなど事前の期待が高く株価が高値圏にあることや、引当金を積み増したことなどが要因と考えられます。
株価推移 (6ヶ月日足)

(注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2024年1月12日時点
(注3)純収益(事業会社の売上高にあたる金利収入や手数料などから金利費用を差し引いた収益)とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年10-12月期(2023/12)。灰色はLSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均。2024年1-3月期以降の予想は2024年1月11日時点。
(出所)会社発表、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)
<前回の当社決算と比較!>
【米国株決算速報】JPモルガン・チェース(JPM):消費者信用の悪化懸念が和らぐ、株価は+1.50%