海外市場の振り返り

22日及び23日の米国株は続伸し、NYダウとS&P500は史上最高値を連日で更新しました。半導体大手のエヌビディア(NVDA)が21日引け後に発表した2023年11月~24年1月期決算が市場予想を上回り、22日にエヌビディア株が急伸し、生成AI(人工知能)関連企業の成長期待が相場をけん引しました。AI関連への物色は23日も続きましたが、利益確定売りに転じる動きや、FRB高官による利下げ期待を牽制する発言も意識され、米国株は次第に上げ幅を縮小する展開となりました。なお、エヌビディアの時価総額は23日に、一時2兆ドル(約300兆円)を初めて超え、アップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)に次ぐ3番目の米国企業となり、世界のランキングでも4位となりました。

相場の注目点

日経平均株価は先週、史上最高値を更新しましたが、TOPIXの12ヶ月先予想PER(野村予想)は15.9倍(22日終値)と、2013年以降の12~17倍の範囲に収まっており、バリュエーション(企業価値評価)には過熱感はありません。また、中期的にも日本企業のデフレ体質の脱却やガバナンス改革などが期待されており、日本株を下支えすると見られます。米国株については、好調な企業業績が相場を押し上げていますが、決算発表は一巡しつつあり、今後は再びマクロ経済と金融政策に注目が集まるものと思われます。2月28日~3月1日に米地区連銀総裁等の講演が予定されており、注目です。米大統領選も今後の重要なテーマですが、24日に実施されたサウスカロライナ州の共和党の予備選でトランプ前大統領が勝利し、党候補の指名獲得にまた一歩近づきました。仮にトランプ前大統領の再選可能性が高まると、グローバルなインフレ及び金利上昇圧力と、為替市場でドル高・円安圧力への期待が強まる可能性があります。

(投資情報部 坪川 一浩)

(注)データは日本時間2024年2月26日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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